初夢


「本を作った」夢を見た。「本を出す」んじゃなくて。こんな本がいつも手元にあればいいなあ、という理想の本を一から自分で作った夢を見た。そのけっこう複雑で時間のかかった過程はほとんど覚えていないけど、出来上がった本は雪のような不思議な質感を放って目の前の机の上にあった。見る角度によって分厚くも見え、極薄にも見えた。それは鏡のようにも暗い穴のようにも見えた。ジョナス・メカスの映画を本にしたみたいだなあと思った。それから、ピーター・ビアード(Peter Beard, 1938-)の作品すべてを一冊にしたような本ができたなあと思った。

恐る恐る開くと、祖父母の代から受け継いだすべての写真と自分で撮ったすべての写真が自分でも不思議な感じにレイアウトされたページがあちらこちらにあるようだった。あるページは触れると好きな音楽が流れた。別のページでは好きな映画や自分で撮った動画が始まった。活字のページは活版印刷になっていた。活版印刷ではSさんの手を借りたような微かな記憶がある。紙の凹凸の手触りが素晴らしい。目次はなかった。索引のような小さな写真と数字だけが並んだページがところどころにあった。

その本にはブログで知り合ったすべての人それぞれのページもあった。