アレクサンドリア・ルネサンス

情報文化論受講生のみなさん、前々回お話した古代のアレクサンドリア図書館に関連して、坂ちゃんこと坂東さんがインターネット上の最先端の知的動向の一環について興味深いことを書いているから読んでみてとアナウンスしたのを覚えていますか。これです。

古代と現代のアレクサンドリア図書館の紹介から始まり、ネット上の「アレクサンドリアルネサンス」(私の勝手な命名)とでも呼ぶべき動向の紹介、さらには、なんと新アレクサンドリア図書館で面白そうな会議があるからここはひとつエジプトまで足をのばしてみませんかとそそのかしている。かなり燃えてるでしょ。時間があれば、チャリンコででも行っちゃいかねない人です。しかもその火に油を注ぐ人がいる。コメント欄見てね。言わずと知れた金ちゃんこと金城さんね。「エジプト語*1でも勉強しておきまーす」という一見軽口は冗談としては聞き流せないわけです。このハイな掛け合いにも学ぶものがあるよ。

ところで、二年前にやはり古代のアレクサンドリアの図書館をモデルにした現代的構想の一例について書いたことを思い出しました。読んでみてください。

前々回の講義では、「世界」という観念の誕生を背景として、力で世界を支配すると同時に知、情報によって世界を押さえようとしたアレクサンダー大王の命を受けて設計されたサイボーグのようなセラピス神を戴く古代都市アレクサンドリアとその情報的中核をなしたムセイオンと図書館、正確には二大図書館システム(ブルヘイオン/セラピウム)、特に図書館セラピウムの司書カリマコスによる大目録「ピナケス」の制作の意義について話しました。そして前回の講義では、パソコンの父アラン・ケイAlan Kay, 1940-)が注目したことでも知られる5世紀にカッシオドルスが作ったヨーロッパ初の修道院図書館ヴィヴァリウムについて話しました。

パソコンの可能性の象徴としてヴィヴァリウムが、インターネットの可能性の象徴としてアレクサンドリアが遠い過去から喚び出されるというのは面白いでしょ。