死に条件づけられた存在


2005年1月23日撮影。Half Moon Bay, Californiaにて。

半年ほど前に記録したように、

アメリカ滞在中に親しくなったアパートの隣人、ビルとメラニーに誘われて何度か訪れた太平洋岸のハーフムーンベイHalf Moon Bay)という海岸が忘れられない。彼らがサーフィンしている間、私は砂浜を散歩したり、太平洋の向こうに思いを馳せたり、アルフォンソ・リンギスの『死に条件づけられた主体性』という本のコピーを読みながら、父の死(2004年7月12日)の意味を反芻したりしていた。

その頃、人間たちは死を共有することはできないが、同じように死に条件づけられていることによって、「何も共有していない者たちの共同体」を構成するのだ、と理解していたような気がする。今も思想的にはそのあたりをうろうろしている自分がいる。