ベトナムで医療関係のプロジェクトに従事なさっている鈴木さん(id:innhatrang)から、ベトナム出身の不遇な哲学者チャン・デュク・タオのことで連絡をいただいた。
昨年の今頃、id:mmpoloさん、ベトナムからの留学生、id:kenjikienさん、そして花崎皋平さんと連絡を取り合いながら、タオについていくつかのエントリーを書いた。
- 情報文化論2007 第8回 講義余情(2007年06月06日)
- チャン・デュク・タオ(Tran Duc Thao, 1917-1993)に関するウェブ上の情報源(2007年06月13日)
- チャン・デュク・タオ続報(2007年06月28日)
- ネットで生まれる革命的信頼について(2007年07月18日)
- タオ・ノート(Thao Notes)とタオ・アルシーヴ(Thao Archives) (2007年07月28日)
- 花崎皋平「旅日記・一九九三年------オーストラリアからインドシナ三国へ」(2007年07月30日)
その後、ウェブ上でのタオに関する日本語情報の公開についての検討の段階に入ったが、私とid:kenjikienさんは、得た情報をこの場合は主にベトナム国内の情勢との関わりにおいてどう公開するのが最も適切であるのかという政治的かつ倫理的問題に逢着していた。そしてその後、id:kenjikienさんによる現地調査の進展をもう少し待つということで、このいわば「タオ・プロジェクト」はペンディング状態にあった。
今回、ベトナムで医療関係のお仕事をなさりながら、思想的課題にも深くコミットしておられる鈴木さんがタオを独自に調査なさっていた過程で私のブログに遭遇したという次第だった。そういうわけで、「タオ・プロジェクト」に思わぬ新たな展望が開けるかもしれないと感じている。