空七景

雲が好きだ。その千変万化する形と微妙に移り行く色に魅せられる。







大気中の水蒸気の運動がこんなイメージとして像を結ぶプロセスにもまたとんでもない進化の記憶が内蔵されているのだろうと思う。終りなく循環しつつ、下手に形を残さない運動の全体像、その「形」に惹かれる。空を、雲を見続ければ、芸術の大半は無用になるだろう、と私の中の誰かが呟く。誰だ? ル・クレジオか?