資料:情報デザインとしての地図

0過去資料


1時間軸変形地図が示唆する情報デザインとしての地図

(1)杉浦康平の時間軸変形地図*1


『idea アイデア』(2007年9月号)より

(2)'Travel Time Tube Map' by Tom Carden(http://www.tom-carden.co.uk/):時間軸変形地図の応用


Travel Time Tube Map

(3)杉浦康平関連記事


2ヴィジュアル・コミュニケーションとしての地図

(1)マーシャル諸島の海洋民の海図

幅7ミリ、厚さ1.5ミリほどの、ココヤシの葉柄(ようへい)をうすくはいだヒゴで形を作り、 要所を細いヤシの糸で留めてある。子安貝は島の位置を示している。オセアニアの一万におよぶ島々に人が住み始めたのは、紀元前のことである。彼らは、もとより羅針盤らしんばん)や 六分儀(ろくぶんぎ)などはもっていなかったが、天体や海洋の現象を観察し、それらの知識を巧みに利用することによって、 独自の航海術を編み出していった。なかでも、ミクロネシアマーシャル諸島民は、海のうねりを中心に、独特の海図を作り出した。この海図は、もともと若者への航海技術教育の教材として使われたもので、大きく分けて三種類がある。まず、「マダン」は、 東西のうねりが島にあたって変化する現象をあらわした、もっとも基本的な模式図である。貝が島の位置を、曲がったヒゴがうねりを示している。 「メトー」は、マーシャル諸島の一部の島々の位置関係と、航海で出会ううねりの特徴を示した海図。「レペリブ」はマーシャル諸島のすべての島々の位置関係を示したもので、位置関係は正確だが、距離は異なる。航海に要する時間をもとにしているので、波が荒くて時間がかかる場所は、実際より長くあらわしていたりするからである。この海図は、1860年代に、はじめて西洋人に紹介され、衝撃を与えた。しかし、19世紀以来、外国から動力船がはいってきたために、 伝統的な航海術は必要でなくなり、今では、現地でも、この海図の知識をもつ人は少なくなっている。

小林繁樹著『世界一周道具パズル』(光文社, 1988年, 126頁)
http://www2.memenet.or.jp/kinugawa/sea/070217.htm


3鳥瞰図におけるデフォルメが意味すること

(1)吉田初三郎の鳥瞰図


岡山市街鳥瞰図』(作:吉田初三郎)*2

(2)吉田初三郎関連ページ

(3)吉田初三郎関連記事

*1:人間の知覚は、デザインとしてどう表現されればよいのだろうか。杉浦氏は独自の図像学研究の成果を、作品に大胆に展開している。代表作として『時間軸変形地図』が挙げられる。これは東京・その他の主要都市を中心にして、交通機関を利用した場合の日本各地への最短到達時間を地図化したものだが、日本列島に予想を遙かに超える奇妙なゆがみが生じる。これは人間が時間や距離感を視覚に置き換えて認識できる『装置』であるといえる。「その内部にあったり、全体の奥にもう一つ透視して見えてくるような、目に見えない事象の地図化」に、氏は興味を持つと言う。http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0981.html

*2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Okayamashigaichokanzu.JPG