親子。
カズマと私がどっちが先に死ぬかという話をした時に、
カズマが先に死んだらどうしていいかわからないほどさみしくて困ると言ったら、
そういう時に元気が出るようにとカズマが歌を作ってくれました。
歌詞をメモしてくれました。あひるの親子がふんどしはいた♪
「元気だせよ」となぐさめた。ヘイカズマはじめての作詞作曲。
メロディは複雑すぎて覚えられませんでした。
仲間。
ついこの間も我々の間で「寄せ書き」を書いて病院に贈ったばかりだった。極めて子供じみてはいるが「寄せ書き」という一種の共同性の識知の中で彼は暫くの間生きていてつまり空間を超越して我々の中でいつも存在していた。しかしついに再びその顔を見ながら酒を飲むと云うことが叶わなかったのである。残された我々生ある者は自分の死というものを体験出来ないゆえ彼の死も想像の中でしか捉えることができない。残念ながら人の死というものはそういうものでしかない。そして妄念の中で生前の彼の姿をつくりあげ葬儀という儀式に向かう。
独り。
さみしさが 降ってきた
救いなど ないのだ
どこにも ないのだ
それで いいのだ
「歌」も「寄せ書き」も「詩」も、救いなどないと分かっている<場処>に、それでも向けられ、寄せられる心がとっても救いだと感じる。