私が生まれる前に撮られた、私の知らない彼と彼女の写真を見ていると、不思議な気持ちになる。写真の外側の世界ではその後彼と彼女は私の父親と母親になり、しばらく前に亡くなった。死によって、彼らは写真のなかの私の知らない彼と彼女に還って行った。そして写真のなかでは私の知らない時間が今も流れていて、その気になれば私もアリスのようにそこに入っていける。そんな錯覚が現実味を帯びることがある。
- 記憶の彼方へ001:私の知らない祖父母(2008年02月27日)
- 記憶の彼方へ002:私の知らない父と私(2008年09月17日)
- 記憶の彼方へ003:幼い兄弟(2008年12月02日 )
- 記憶の彼方へ004:父母の遺影(2008年12月27日)
- 記憶の彼方へ005:あやめヶ原の祖母(2008年12月28日)
- 記憶の彼方へ006:私の知らない私(2009年12月07日)
- 記憶の彼方へ007:私の知らない曾祖父母か(2009年12月09日)
- 記憶の彼方へ008:私の知らない祖母と友人達(2009年12月26日)
- 記憶の彼方へ009:私の知らない母と私(2009年12月27日)
- 記憶の彼方へ010:私の知らない家族の肖像(2009年12月29日)
- 記憶の彼方へ011:私の知らないカップル(2010年01月26日)
- 記憶の彼方へ012:観覧車のある風景(2010年01月28日)
- 記憶の彼方へ013:私の知らない少年、少女(2010年01月28日)
- 記憶の彼方へ014:親子三代(2010年01月30日 )
- 記憶の彼方へ015:私の知らない母の歌声(2010年04月04日)
- 記憶の彼方へ016:土を食べたことのある私(2010年04月08日)
- 電信浜(2010年07月13日)
- 記憶の彼方へ017:馬場先生(2010年07月06日)
- 記憶の彼方へ018:祖父と天売島(2010年09月07日)
- 記憶の彼方へ019:父が撮った祖母(2010年09月09日)