記憶の彼方へ020:未生の記憶のアンソロジー


私が生まれる前に撮られた、私の知らない彼と彼女の写真を見ていると、不思議な気持ちになる。写真の外側の世界ではその後彼と彼女は私の父親と母親になり、しばらく前に亡くなった。死によって、彼らは写真のなかの私の知らない彼と彼女に還って行った。そして写真のなかでは私の知らない時間が今も流れていて、その気になれば私もアリスのようにそこに入っていける。そんな錯覚が現実味を帯びることがある。


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