宮本常一が父親から継承した人生訓のひとつ。
先をいそぐことはない、あとからゆっくりついていけ、それでも人の見のこしたことは多く、やらねばならぬ仕事が一番多い。
宮本常一『民俗学の旅』(講談社文庫、asin:4061591045、35頁)
一読して、謙虚な落ち穂拾いをイメージさせるかもしれない分かりやすそうな教訓だけど、実はここには人生の兵站(へいたん)、ロジスティクスといってもいいようなしたたかな知恵が秘められているように感じます。つまりは、先を急ぎすぎて、「補給路」を断たれ無駄死にしないこと。