現代の歌姫の中にも「遊女」を彷彿とさせる歌手がいる。たとえば中島みゆき。ただし、「悪女」を歌った中島みゆきではなく、「紅灯の海」を歌った中島みゆき。
こう‐とう【紅灯】
1 赤い灯火。また、赤い紙を張った丸い小さな提灯(ちょうちん)。
2 色町(いろまち)のともし火。歓楽街の華やかな明かり。デジタル大辞泉より
ところで、現代では「遊女」は女であるとはかぎらない。意味の重力に抗するように、響きとともに舞い上がる井上陽水の艶やかな歌声には「遊女」を感じる。「空に澄みのぼりてめでたく歌を歌ふ」(『更級日記』)遊女たちの歌声をちょっとだけ連想する。
参照