祝津


祝津漁港、小樽市祝津





豊井浜、小樽市祝津

祝津 しゅくず

 小樽湾の西北角の土地の名。前のころは「しゅくずし」と呼んでいた。元禄郷帳にも「しくずし」とあり、古い時代からコタンのあった処らしい。上原熊次郎地名考は「シクズシ。夷語シクトゥルなり。則野韮と訳す。此処野韮又はあさつきなど多くある故字になるといふ」と書き、永田地名解は「シクトゥッ shikutut。山葱(やまらっきょう)。満山皆葱。祝津(しくとち)村と称す」と書いた。知里博士はこの地名をshi-kut-ush-i(全くの・岩崖・群生する・場所)ではなかろうかとの説を持っておられた。和人は古くはここを場所の中心としていたが、後にそれを高島に移したのだという。

  山田秀三『北海道の地名』北海道新聞社、1984年、494頁