2008-12-23から1日間の記事一覧

島尾伸三『季節風』を読む2:生まれたばかりの薄暗い世界

島尾伸三は写真のクレジットに決して撮影年月日を記さない。一貫している。写真にそんな「情報」は必要ないと言わんばかりに。少なくとも彼が撮りたい写真は「情報」でもないし、「映像」でさえない、ようである(『季節風』96頁)。 熱帯植物公園 シンガポ…

レースのカーテンが

一見ありふれたビジネスホテルの窓からの眺めに、レースのカーテンの格子模様と襞が、まるで目的=対象物と私との間を永遠に隔て続ける時間と距離の形象のように見えてきた。「博多駅前のビジネスホテルからの眺め」だという。 博多駅前のビジネスホテルから…

青い傷

一見ありふれた浦の風景に異様な青い傷のようなものが浮き上がる。その写真からは、そこだけ別物のようにペンキの青が生々しくまるでこちらの世界に飛び出しているような強い印象を受けた。そこだけペンキ塗り立てのように不自然だ。何だろう? 写真には次の…

ケヤキの音楽

寒気の少し緩んだ午後、猫と雪だるまを探しながら、久しぶりに「原生林」まで歩いた。裸になったケヤキ(欅, Zelkova tree, Zelkova serrata)の繊細で柔らかい枝振りに見惚れる。ケヤキの音楽を聴く気分だ。風太郎の体力がすっかり落ちたせいで、この夏以来…

最良の時、静寂がきこえる

音楽という希望? 天国にいるベートーヴェンに感謝の手紙を書く若い魂があり(http://d.hatena.ne.jp/kaiowada/20081221/1229871872)、究極の「音楽」を切望する若い魂がある(http://d.hatena.ne.jp/alsografico/20081221/p1)。そして、途方もなく激しく…

すれ違い

寒い。昨日より一段と冷え込む。新しい雪がうっすらと積もっている。風太郎やや不調。おお、雲がいい感じ。空き地の雪の上に鉄柵から落ちた雫の跡がきれいに並んでいる。そういえば、昨日、マミちゃんを名乗る人物から変なメッセージが入った。マミちゃん? …

二匹の犬を連れた奥さん

2004年9月17日撮影。彼女はいつも笑顔だった。