夢のなかの本と枇杷の木

「色を拾って歩いているようなもんさ」と答えたのだけははっきりと覚えている。すると彼は「そう言えば、こんな本がありますよ」と一冊の本を私に手渡した。柔らかい感触の厚い本だった。不思議な本だった。右開きか左開きか迷った。パラパラ捲ったときには…

夢のかげ

目ざめて腕時計をみると 本書のタイトルは、島尾敏雄『夢のかげをもとめて 東欧紀行』(河出書房新社、1975年)に刻まれていた、活版印刷活字から拾われている。目をさまして時の刻みを確かめ、揺れ動く映像をたどり直したとき、私の、そして「私」の周囲に…

夢の中で秀子さんに会う

昨日、変な夢をみた。夢はみんな変なもんで、夢の主体は私なのかどうか定かではないが、私らしい奴がid:hayakarさんのお宅にお邪魔していた。hayakarさんはなぜか寡黙だった。そこに若い娘がいて、なんやかやと世話を焼いてくれた。そのうち近所を案内してく…

夢の中のクイズ

ジョナス・メカスの花(「誰もが皆、先に進みたがる。しかし、今は、後戻りするほうが、ずっと賢いと私は思う」2008年03月25日) 夢は一切の判断を許さぬ目覚めである(「二つのエピグラフ - Emmaus'」) 今朝早く見た夢が鮮やかな白い花の印象を目覚めてか…

「...」が思い出せない

夢の中で、ある人に向かって、私は偉そうに語っていた。実は自分(のブログ)を信頼することが一番勇気がいるってことですね。でも、それが自分に対する「義理」でもあるんじゃないかな。信頼するには勇気が必要で、ひとたびの信頼が相手からの信頼を引き起…

夢という記憶

プラタナス(Platanus)の落ち葉。散歩中、明け方見た夢を思い出した。いつものように私は大学の駐車場に車を停めて、建物の入口に向かった。その途中にある一面雪に覆われた一角に黒い二つの人影が見えた。目を凝らしてもピンぼけの写真のようで、その二人の…

夢のなかの亡き父の面影は

メカスの365日映画紹介が今日で300日を迎えた。個人的に切りのいいこの日をメカスの好きな白ワイン、といっても私の場合はコンビニで買った廉価な代物だが、で祝いながら、昨夜見た夢のことを考えていた。夢のなかで、「私」は若い父が満面の笑顔を浮かべて…