番外編:サッカーW杯

ここまで語るべきか否かについてはちょっと考えましたが、皆さんの将来のためを思い、敢えて語ることにしました。それは前回の授業であくまで「情報文化」、「情報編集」の観点から語ったサッカーの話題に関することです。結論から先に言ってしまえば、皆さんにとっては、大学こそが「ピッチ」であって、そこでいかに自分なりの情報編集に努力し、工夫をこらすことができるかということが本当は問われていることに気づいたかどうかということです。サッカーW杯の日本チームの勝敗に一喜一憂したり、評論家ぶった持論を展開することなどより、今ここ(札幌大学)で君はどんな人生の戦いに臨んでいるのか、ということを考えるべきでしょう。ジーコ監督を含め全力を尽くしている日本選手一人一人を評価できるほどの人が日本にいるでしょうか。ですから私は「難しいよね」とだけ言ったはずです。そしてブラジル的であることと日本的であることの違いを将来に向けて生産的に編集していけるような絶好の機会(チャンス)として、今回のW杯を観戦することの意義を強く示唆したわけです。それこそマスメディアに書かれているような情報に縋るのではなく、ドイツで体を張って戦っている選手たちや監督の姿から、今ここで進行している君の人生にとってプラスになるような情報をつかむことができなければ、W杯なんか観る必要はない(極論)。日本選手一人一人がドイツで闘っているのと同じように、札幌大学で闘えなければ、なぜ君はここにいるのか、という問いに正々堂々と答えられるはずがないでしょう。私はジーコ監督が戦っているのと同じレベルで札幌大学で戦っているといるという自負を持って、皆さんと相対しています。300人を超えるマンモス講義ですから、その集団力学上やむをえない事情もありますが、まだ1割弱の人が何も分かっていない、そんな姿勢と思考力では社会に出ても何もできないぞ、と心配しています。その1割弱の学生さんは、このブログも見ない可能性が高いので、このメッセージは8割を占める私も感心するほどしっかり戦っている学生さんたちに屈折した形で届くことになるでしょうが、それはそれで私がこの講義で狙っていることを知ることにつながり、きっと何かの役に立つはずだと信じています:)。