ブログとモレスキン

昨年秋から「これは使える」という直観を頼りに慣れないブログを使い始めて、その後その直観は『ウェブ進化論』(特に、第4章4「組織と個とブログ」参照)によって「これを使い倒すぞ」という野望に変わりました。学生さんたちにも機会あるごとに、いわゆる「知的生産の道具」としての「文房具」のある意味で最も進化した形態と機能をもつブログの効用と活用法を説いています。が、その一方では、例えば手帳のパワーについても話すことにしています。非常に身近すぎたり、刹那に過ぎ去ってしまう貴重な情報をササッ、パッパッとメモしておくには体の一部のように機能してくれる手帳が一番だと考えるからです。中には私も感心するくらい、バックパックの中に「知的生産の道具」たちを忍ばせてフットワークよく動いている学生さんもいて、そんな彼ら(彼女ら)と文房具の使い方についてあれこれと情報交換するのは、非常に楽しいことです。

私は数年前からMOLESKIN(モレスキンモールスキン)の黒い手帳を数種類併用しています。黒の地味でシンプルな見かけの割にちょっと値段は張りますが、基本がしっかりした真の質の高さを感じさせる造りに非常に満足して本当に体の一部のように活用しています。一昨年一年間の滞米中に三冊を使い切り、その内の一冊を帰国時のどさくさで紛失してしまった時には文字通り身を切られる思いでしたし、今でも探しています。拾って届けてくれた人には謝礼$100と明記したのでした。そんなMOLESKINの手帳の存在を今時の学生さんは知らないだろうなと思っていたら、いました、いました、いるもんなんですね。まだ一人ですが。MOLESKINを知っていて使っているというだけで、何か大事な秘密を対等に共有した仲間のような気分になるのは不思議です。