生を賦活する死者との対話

今日で6回目の情報デザイン論は内容的にひとつのクライマックスを迎えた。まずこれまでやったことの総復習を行い、今いる場所を確認した。板書しながらかなり気合いを入れて解説した。1時間以上経っていた。


残りの時間では、まず以前から学生たちに見せたかった究極の自画像のひとつの例としてフランシス・ベーコンの絵を紹介した。

Francis Bacon - Logique De La Sensation

Francis Bacon - Logique De La Sensation

次にブログで予告してあった「時間のデザイン2:死のデザイン」の概要文を私の体験を踏まえて敷衍した。最後に参考リンクしてあった、内藤廣さんの「死の建築」と川崎和男さんの斬新な「大学時計のデザイン」、そして茂木健一郎さんによる鳥取県三徳山三仏寺投入堂登攀記を概説した。特に、三仏寺に関しては投入堂を含めた空間が人間の誕生と死の全振幅を深く配慮した時間に基づいてデザインされていること、しかも平安時代に、などについて力を入れて解説した。

メインテーマ「死のデザイン」に関しては、抽象的な死の考察ではなく、具体的な近親者の死の弔いや供養の意味、そこに含まれる実は自分自身との深い対話にほかならない死者との対話の意義、そしていずれ死ぬことを見据えた生の営み方に基づくデザインについて語った。(これに関連する私の考えがコメント欄にも書いてあるので、参照のこと。)

残りの数分で、久しぶりに「感想文」を書いてもらった。情報デザインの奥深さが分かったという感想が全体の8割強(よしよし)。今日の出席者は250人くらい。前半の総復習が特にためになったという感想と後半のベーコンの自画像と投入堂に驚いたという感想が半々くらいだった。記憶想起の試みに異を唱える意見が二つ(サシで話したい)。すでに体験の記録に工夫を凝らしているという報告が二十くらい(びっくり)。言葉が難しくてよく分からないところがあったとう感想が三つ(そうかー)。すげー面白いが八つ。就職活動に役に立つが二つ。SmartWrite/SmartCalendarをDLして使いはじめたという報告が一つ(よし!)。


講義終了後、10分くらい後の教室のようす。まだ感想文を書いている学生もいた。