初夢

私は二日間不思議な夢を見ていた。今年になって初めて見た夢だった。

2月10日、「私たち」は日本の国家安全保障にもかかわる重大な問題についてカジュアルに討議するために横浜に集結した。急遽某国から来日した国際的ビジネスマン、そして日本側からは情報技術者、出版関係者、通信関係者、アート関係者、そして哲学者(叱られるかもしれないが、これはなぜか私)というメンバーだった。

2001年の「黒船の来航」の脅威などをめぐり、一見些細な問題に思われるようなトピックから、かなり本格的な問題にいたるまで、討議は一部メンバーの途中退場があったものの、深夜まで、さらに二度寝した今朝の夢の中まで続いた。梅田望夫さんが再三述べている今インターネットを舞台に起こっていることは、情報技術の革命ならぬ「情報の革命」であるという洞察を受けるかのように、その「革命」がもたらす現実的諸問題について、各方面から忌憚のない意見、提言が提出された。

最終的には、言語、文化、故郷に根ざす国家と個人の関係の諸問題、そして、資本主義にたいする姿勢の問題、要するに「生き残る=より善く生きる」の可能性の中心問題に収斂する諸問題に対する各々の現時点での考えが提出された。「戦時においていかに戦争に加担しないか」という究極的問題に対して、国際的ビジネスマンは、ある明確な解答を持っていた。しかし、記憶力の悪い私はその解答をなぜか思い出せない。

場所は通信関係者が巧みに手配してくれた横浜の人目につかないいくつかのポイントだった。水上バス、中華街のナイスなお店、地元でも知られざる穴場の展望レストラン(一階ロビーには巨大な棟方志功の版画が飾ってあった)、旧造船場跡のビアホールと移動しながらのカジュアルな討議だった。札幌的冬の恰好の私はずっと汗ばんでいた。早々にマフラーは外した。

目が覚めたら、私は零下2℃の札幌にいた。メカスの365日映画の紹介が溜まっている……。