Life is so good in Nyon, Switzerland:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、9月28日、271日目。


Day 271: Jonas Mekas
Friday, September 28th, 2007
10:22 min.

In Nyon, Switzerland,
in a hotel room,
a travelling independent
film-maker enjoys
his meal --

スイス、ニヨン
ホテルの部屋で、
旅行中の独立系映画監督は
食事を楽しむ…

メカスは独りでホテルのシングル・ベッドの部屋にいる。スイスのニヨンだという。窓の直下から湖が広がる。レマン湖だ。向こう岸には雪を頂いた山並みが見える。晴れた日だ。壁際のデスクの上に、赤ワインとパンとチーズが無造作に置かれている。地元のワインを手に入れた、と嬉しそうだ。パン(バゲット)と新鮮な山羊のチーズもある。スイス・ナイフを新調したそうだ。スイス・ナイフとは万能ナイフのこと。深紅の柄にスイスの国旗がプリントされているタイプだ。これでリヨンで快適に過ごせるぞ、とメカスは言う。

頭の形にへこんだ枕。目覚めてからそんなに時間の経っていない朝のようだ。メカスはパンにスイス・ナイフでたっぷりと山羊のチーズを塗って頬張る。そして赤ワインのボトルをラッパ飲みする。「CHATEAU DE MONT, 1999」と読めるラベルのボトルを眺めながら、「悪くない」とひと言。「貧乏な映画監督の豪華な食事だ。」

「梨も買ったんだ。洗わなきゃな」と買い物袋から洋梨を一個取り出して見せる。そしてある人から聞いたという「梨のブランデーの木(pear brandy tree)」の話をする。花咲く梨の木の枝に何百ものガラスの瓶が結びつけられる写真を見たとも語る。そうやって出来上がった梨ブランデーは、梨が丸ごと一個瓶に入ったブランデーである。

洗った梨に皮ごとかぶりつくメカス。「んーーーん、最高!」と繰り返す。「生きてて良かった!(Life is so good !)」。昨日の南仏アヴィニョンの映像では、文字通り豪華なパーティーの席で同じようにワインとパンとチーズの食事をしていたのに、メカスは決してそうは言わなかった。

9月9日9月10日9月12日の映像ではメカスは同じスイスのヴィリサウ(Willisau)にいた。しかし関連は不明。