二つのグリーティング・カード

橋村さんから素敵なグリーティング・カードが届いた。

ニューヨークはロックフェラー・センタースケートリンクの夜景写真だった。映画で観たような気がするが、はっきりとは思い出せない。スケートリンクの向こう側では大小のクリスマスツリーがイルミネーションに輝き、周囲の建物の照明が長い尾を引いている。寒さに締まった凛とした空気が伝わってくる。スケートに興じる人びとの歓声や氷を掻く音も聞こえてくるようだ。HASHIは、寒い中どれくらい「そこ」で「この瞬間」を狙っていたのだろう。美しく楽しい瞬間。


橋村さんからのグリーティング・カードと同時に、以前「レヴィ=ストロース+今福龍太 」(2007-12-01)で紹介した今福龍太さんがカリフォルニアの海岸に置いたというレヴィ=ストロースの「小さな本」が届いた。

驚いた。本当に小さい!掌に収まるほど小さい。しかも薄い。28頁しかない。今福さんは「ポケットに入るぐらいのサイズの本」と書いていたが、それを読んだときにはポケットのサイズがどれくらいかはちゃんと想像しなかった。なんとなく今福さんのポケットは普通より大きいのかなと根拠なく一瞬思ったに終わった。今、手元にあった岩波文庫版『論理哲学論考』に重ねてみたら、それよりもわずかに小さい。ほぼ文庫サイズであるが、一回り小さい。しかもかなり薄い。これも手元にあった薄いことで知られる岩波文庫版『地獄の季節』と比べてみたが、もちろんそれより全然薄い。でも紙がグリーティング・カードのように厚い。この際、これは会ったこともないレヴィ=ストロースからのグリーティング・カードだと思うことにした。明日から毎日ポケットに入れて歩こうと思う。