印刷史とタイポグラフィの勉強

府川充男著『印刷史/タイポグラフィの視軸』(asin:4916043820)を読みながらメモした基本語彙集。

用語 意味 備考
版心 袋とじの中央部 -
魚尾[ぎょび] 版心に摺られた黒いベタ -
中本[ちゅうほん] 天地約19センチ、左右約13センチ 一番ポピュラー
半紙本 天地約24センチ、左右約17センチ 二番目にポピュラー、中本より一廻り大きい
小本(袖珍本[しゅうちんほん]) 中本より小さい -
大本[おおほん](美濃本) 天地約27センチ、左右約19センチ 美濃紙を二つ折りにしたもの、半紙本より大きい
横本[よこほん] 横長の本 -
題簽[だいせん](題牋) 表紙に貼る本の題名の入った紙片 -
絵題簽 絵も摺り込まれた大きな題簽 -
見返し 表紙を開けた右側。 署名や書肆名が摺られている
外袋 表紙の外に巻く袋。 残らないことが多い
版面[はんづら] 本文の面 -
匡廓[きょうかく] 本文を囲む罫線。 -
短辺 匡廓が一本 -
双辺 匡廓が二本 -
無界 行間に何も摺られていない状態 -
有界 行間に罫線の区切り(界線)が入っている状態 -
整版 一枚の版木に、一丁分全てを広げた形のものを彫る版 明治に至るまでの印刷物の大半、正規の出版に使われた
木活字版 小規模の簡易出版に使われた -
木版 整版と木活字版を合わせた呼称 -
活字版 様々な活字版の総称 -
活版本 近代的な鋳造活字で組まれたもの 木活字版を活版本とは言わない
乱れ版(乱版) 丁によって活字版であったり整版になったりしている本 -
田舎版 木活字版と見紛う整版 -
異植字版 活字を差し替えた版 木活字版に多い
異版(別版) 版自体が違っている版 -
後修本[こうしゅうぼん] 再版時に版木の一部をいじってある本 -
外題替え後修本[げだいがえこうしゅうぼん] 再版時に本の題名も変えてしまった本 -
初版 オリジナル -
覆刻 原型を保ったまま再刊すること。 被せ彫りと影印本をあわせて言うことがある
被せ彫り(おっかぶせ) 整版なり活字版なりの印刷物それ自体を版下にして、それを裏返しにして版木に接着してそれで一枚板の整版を彫ったもの*1 -
影印本 オフセットの世界で稀覯本[きこうぼん]などの各ページの写真を撮ってそれを複製したもの -
翻刻 原型と変わってしまった再刊 -

*1:具体的にイメージできない(^^;