祭りの日の朝の散歩

札幌、晴。爽やかな空気。まだ祭り囃子は聴こえない。


一週間ほど前に風太郎の写真を撮ってくれたFさん(→ 「風太郎がモデルになった日の朝」)が自宅前でこちらに背を向けて空を見上げていた。声を掛けると、待ってたんだよ、写真を渡そうと思って、と満面笑顔で風太郎に駆け寄る。L判と2L判の厚手の光沢紙にきれいに印刷された写真6枚をいただいた。嬉しかった。ニコンデジタル一眼レフカメラの機能の話などいろいろと世間話をしている間もFさんは風太郎とスキンシップしていた。

サフラン公園ではサフラン・クラブ(→ 「クイーンの笑顔とサフラン・クラブ」)の常連のお二人が「風太郎!」と声をかけながら笑顔で近づいて来る。祭り囃子はまだ聴こえない。世間話をしている間、お一人と風太郎はかなり濃厚にスキンシップしていた。


「ちゃんと食べるんだゾ」


「神輿はまだ来ないなあ」


「おはようございます」と私はクイーンに声をかけた。トレーニングに没頭しつつも一瞬こちらに笑顔を返してくれた。サフラン・クラブのお二人とクイーンとの間には見えない壁があるようだった。遠くから祭り囃子が聴こえていた。




帰路、大人たちに守られて町内を巡るこども神輿とすれ違った。


「ご苦労様!」花盛り自転車で神輿を先導するUさん。


「おい、風太郎! 元気か? 久しぶりだなあ」と神輿の最後尾を衛るOさん。

そういうわけで、町内花咲か運動の主役はあくまで風太郎であり、私はただの付き人兼通訳にすぎないのであった。