原研哉さんを知っていますか。近年デザイン、情報デザインについて語る多くの人が必ずと言っていいほどその仕事や著作に言及するグラフィックデザイナーです。例えば、棚橋 弘季さんのブログを覗いて見て下さい。
原研哉さんのプロフィールとデザインの仕事の詳細についてはこちらを。
その原研哉さんは『デザインのデザイン』(岩波書店、2003年)の中でデザインについてこう書いています。
デザインは単につくる技術ではない。...。むしろ耳を澄まし目を凝らして、生活の中から新しい問いを発見していく営みがデザインである。人が生きて環境をなす。それを冷静に観察する視線の向こうに、テクノロジーの未来もデザインの未来もある。(26頁)
- 作者: 原研哉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/10/22
- メディア: 単行本
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これだけでは抽象的でピンと来ないかもしれませんが、原さんは「ごく身近なもののデザインを一から考え直してみることで、誰にでもよく分かる姿でデザインのリアリティを探る」(27頁)試みとして2000年に『リ・デザイン------日常の21世紀』という展覧会を企画し開催しました。「リ・デザイン」とは要するにデザインのやり直しです。随分好評だったその展覧会はその後世界の各都市を巡回し、予想を超える大きな反響を呼んだそうです。
『リ・デザイン------日常の21世紀』展は、「具体的には、32名の日本のクリエーターに、極めて日常的な物品、たとえばトイレットペーパーや、マッチのような身近な物品のデザインを提案し直してもらった」(30頁)ということでした。面白そうでしょ。実際に面白いです。『デザインのデザイン』の第2章ではそんな「リ・デザイン」の6つの事例が丁寧に紹介されています。非常に感心させられるものばかりです。目からウロコが落ちます。デザインとはこういうことなんだなあと納得できます。デザイナーの底力のようなものを感じさせられます。
それら6つの事例はこうです。
1坂茂とトイレットペーパー
2佐藤雅彦と出入国スタンプ
3隈研吾とゴキブリホイホイ
4面出薫とマッチ
5津村耕佑とおむつ
6深澤直人とティーバッグ
なお、本文でも要領よく紹介されている6名の「リ・デザイナー」のプロフィールと仕事の詳細は以下のリンク先を参照してください。
坂茂(建築家)
隈研吾(建築家)
面出薫(照明デザイナー)
津村康佑(ファッションデザイナー)