シャーマン


パトリック・ブランと間違って注文したパトリック・ブランシェのフォトルポルタージュ(写真報告書)の表紙を飾るインドネシア小スンダ列島の中のスンバ島のシャーマンの写真にドキッとした。日月眼(http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20081111/1226412396)のごとく、左右異なった光を発している両眼に思わず吸い込まれそうになる。それにしてもかなり怪しいファッションスタイルである。この格好のまま現代の日本のどこかに現れたら間違いなく乞食か、もしかしたら宇宙人にでも間違えられるかもしれない。遠くない将来の自分の姿をちらりと見た気がした、というのは半分冗談、半分本気の感想である。一見遅れた単純なでも実は深く広い社会では枢要な役割を担ったシャーマン。一方、ぼくらが生きる一見進んだ複雑なでも浅く薄い狭い現代社会では一時的に誰もが誰かのシャーマンっぽい存在になりうる。真の祝祭からはほど遠い、動員ゲームがはびこる。


パトリック・ブランシェによれば、伝統と風習を護るこのスンバ島のシャーマンは現在でも大変尊敬されている。背後の壁に飾られたバッファローの角の数は彼と彼の祖先の地位を示すものだという。なお、日本ではまったく知られていないパトリック・ブランシェについては下の公式サイトを参照してください。

imagesdailleurs.com - Patrick Blanche