2004年5月1日

モレスキンの手帳に記してある6年前の今日の日記を読む。アメリカに渡って丁度一月経った頃の記録である。読んでも、思い出せない部分が多い。

5/1(土)快晴、風冷たし

9時少し前に起床。水を飲み排尿。コーヒーをいれ一服。朝食は牛乳シリアル。メールをチェック。そういえば、昨晩Iさんから長いメールがあった。ありがたい。redeliveryが来るかと思い、13:30まで待つが音沙汰なし。14:00からの「自然の数学的表象カンファレンス第4回」に向かう。その前にカリフォルニア通信8を完成させ配信する。Oさんからの返事はない。Mさんからも。今、カンファレンス会場のテラスルーム真下のPenny Spaceでこれを書いている。イタリアン・モダン・デザインの椅子がすっかり気に入ってしまった。IKEAに行って買いたいものがあるが、今日は無理だろう。Fry'sにも行きたいが、明日にしよう。すでに2時過ぎ。驚いたことに会場外の廊下にはテーブルにコーヒー、紅茶、ケーキなどが用意され、参加者は思い思いにそれを持って会場内に入る。もちろん無料である。皆、顔を合わせると初対面の僕にもニコッとしたり、ハイ!と声をかけてくれる。僕もコーヒーとマフィンを持って中に入る。講演者はピッツバーグ大学のマーク・ウィルソンで、題目は「ヒュームと機械的複雑性」。ヒュームと「機械」との結びつき、「複雑性」がポイントだろう。司会者の紹介によると、言語哲学、意味論、科学哲学、科学史にまたがる本を出したばかりで、今回の報告はその本の一部の紹介らしい。巨漢だ。哲学畑の人。後から入ってきた若い女が平気で缶ジュースの蓋をパチンと大きな音を立ててあけてゴクゴク飲んでいる。穀粒入りのマフィンを食べたせいかやたらにお腹がゴロゴロして落ち着かない。1時間15分くらいで講演は終わった。アパートへ戻ると、ベランダ下のパティオで老婦人と彼女の孫らしき金髪の女の子二人が週末の午後のひとときを過ごしている。笑顔のおばあさんと挨拶をかわす。女の子たちもニコニコしながら僕の方を見ている。二人は木登りや追いかけっこに夢中だ。日本の子たちと何ら変らない。当たり前か。アメリカに来て1か月経ったか!