古いファイルを整理していたら、スクリャービン(1872–1915)関連の古いコピーが出て来た。 共感覚(synesthesia)への関心から集めた資料の一部のようだったが、よく思い出せない。その中にスクリャービンの鍵盤配色図( Scriabin's Key-Colour Scheme)があった。共感覚の持ち主であったという説もあるスクリャービンは「プロメテウス」(交響曲第5番作品60)では鍵盤を押すとそれに応じて色の付いた光が放射されるピアノを用いて聴覚と視覚との統合芸術を目指したと伝えられるが、音に色を見たり、色に音を聞いたりするのは、そんなに不思議なことではなく、言語がそのような体験を十分に表現するには粗雑に過ぎるだけのことだと思う。匂いをそれ自体として満足に表現することのできない言語に私たちは甘んじてもいるほどなのだから。
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