9月27日のエントリーに対して、ご本人の美崎薫さんから、本当に思いも寄らぬコメントをいただいた。僥倖。
建築系の雑誌『AXIS』に美崎薫さんのご自宅(「記憶する」住宅)を訪問した記事が掲載されているそうなので、興味のある方は必見です。私は明日早速本屋に駆けつけます。
私が9月27日のエントリーで拙い考察をしながら感じていた通り、やはり、美崎さんは、Googleがやろうとしていることを、自覚的に独力で先駆けてやってこられたのだということを再認識した。しかし残念ながら、それがリアルタイムに評価されることはなかった。でも、発想とそれを実現する技術開発の本質において、美崎さんは明らかにGoogleの先を走っていたのである。今も走っている。そこは、私のような門外漢が、どうして、こんな場所に迷い出てしまったのかと、狐につままれたような気さえする、言わば「知と技術の最先端」の現場のひとつである。ある意味では、途方に暮れそうになるが、美崎さんが語る言葉には、随所で「哲学的な」トーンやひらめきをひしひしと感じるということもあって、これは見逃せない、という気持ちの方がはるかに勝っている。bookscannerさんの考察にもそれは共通して強く感じるアウラだ。どこまで、伴走とまではいわないにしても、追走できるか、心もとないが、面白い、ここには何かある、と感じる以上、おっちょこちょいの私は性懲りもなく書き続けるだろう。しかも、私は美崎さんのプロジェクトに比べたら問題にならないくらいちっぽけなスケールだが、学生たちと「デジタル自画像プロジェクト」を企み始めている。
関連して、中山さんがグーグルの「組織の駆動原理」に関する手堅い考察を記し、またひとつ外堀を埋めてくれた。
……と、ここまで書いて、昨晩は寝てしまった。今朝起きて、風太郎の散歩から戻り、back on the gridしたら、な、な、なんと、美崎さんから、長いコメントが二つも届いていた。再び、一瞬狐につままれたような気持ちになった。私が、漠然と狙っている複数のポイントをほとんどすべてカバーするような深遠なコメント、さらにその先をゆく見通しまで書いてくださった。これは、私のブログも一皮むけたかな、と思ったりした。そして少し躊躇したが、記事の表示を切り替えて、コメントを表示するようにした。こうすることは、気軽にコメントを書き込みにくくするような気がするが、それは乗り越えたほうがいいハードルのような気もして、結局そうした。本当は、もっとちゃんと美崎さんのコメントに応答したいのだが、今日は講義と演習の準備があるので、また改めて書きたい。