藻岩山が電線にぶらさがっていた。
裸の枝振りに惹かれた。
「人力検索」。見つかったかな?
今日は夕方からここ、
北大の遠友学舍を舞台に、同僚の石塚純一・千恵子夫妻の尽力で、この上なく素晴らしい僥倖、お土産に満ちた会「グラヌールの夕べ」が催され、まるでサンタクロースのようにやってきた吉増剛造さん、若き舞踏家、ダンサーの中村達哉さん、そして私のロシア語の恩師工藤正廣さんと交わることができた。
グラヌールとは落ち穂拾いの意。石塚夫妻が全身全霊で打ち込むかそけき文芸誌の名前。今日は中村達哉さんが文字通り落ち穂拾いを魂の舞いを色豊かに深く静かに舞った。
吉増さんは二本の映画をギフトのように携えてきた。「まいまいず井戸---takeII」と「5分29秒(Eiffel)。まるで「死者の眼」で見る「この世」という異界が驚くべき微粒子の残像の襞に顕現していた。言葉を失った。私は私で『死の舟』に所収された「北の言語---工藤正廣さんと、1991年2月13日」の全ページを電子化して、ロシアの寒河の氷がガリガリいう音、世界中の河の声、水面の波紋のように記憶される本のページを再生、追体験するようなスライドショーをこさえて、会に赴いた。
二次会はススキノ、月桂冠。ギャラリー中森の中森さん、道立近代美術館の浅川さん、書肆吉成の吉成さん、等とも不思議な時を過ごした。書きたいことがあり過ぎて、酔っぱらってもいるし、もう書けない。