- 作者: 鈴木一誌
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2002/10
- メディア: 単行本
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アジアの本・文字・デザイン―杉浦康平とアジアの仲間たちが語る
- 作者: 杉浦康平
- 出版社/メーカー: DNPグラフィックデザインアーカイブ
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
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府川充男著『組版原論』を一方では先に読んだ鈴木一誌作「ページネーションのための基本マニュアル」と鈴木一誌著『ページと力』との関係で、もう一方では府川氏も鈴木氏も一目も二目も置く杉浦康平の『アジアの本・文字・デザイン』などを同時進行で読みながら、人間にとって奥深い比喩としても機能している「本」や「ページ」や「文字」の世界を楽しんで巡礼している。面白すぎる。
ところで、現在では入手不可能に近い『組版原論』(太田出版、1996年刊)は題名から推し量りにくい内容構成だった(『ページと力』もそうだったが)。全体は大きく二つに別れ、第1章は文字と組版の歴史を踏まえたいわば基礎知識篇。「基礎」といっても、色んな観点から深く抉った論考の集成で、読み応えがある。第2章が題名通りのいわば組版の実践応用知識編となっている。以下本書の内容構成全体を簡単に展望してみる。
頁 | 総頁数 | 初出 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
第1章 | 11–210 | 200 | - | - |
タイポグラフィへの視線 | 11–62 | 51 | 1993年*1 | 総論 |
新字と神字 近代日本における文字の発明 | 63–80 | 18 | 1993年*2 | 各論1 |
”近代和文活字の曙”を概観する | 81–88 | 8 | 1991年*3 | 各論2 |
明治初年の「非本木系活字」 | 89–98 | 10 | 1991年*4 | 各論3 |
小括・築地体と秀英体 | 99–110 | 12 | 1993年*5 | 各論4 |
『活字礼讃』に寄す | 111–124 | 14 | 1991年*6 | 各論5 |
明治の新聞紙面と組版意匠の変遷 | 125–176 | 52 | 1995年*7 | 各論6*8 |
[図録=組版技法] | 177-210 | 34 | 撮り下ろし | タイポグラフィの実例集*9 |
第2章 | 211–397 | 187 | - | - |
和文組版ルールと技法のベーシックス | 211–310 | 100 | 1994年*10 | 詳細な「ページネーション・マニュアル」*11 |
ディジタル組版システムと漢字字体 | 311–340 | 30 | 1994年*12 | ディジタル組版制作に最低限必要な知識 |
BIBLOS外字逍遥 | 341–350 | 10 | 1994年*13 | BIBLOS外字(漢字数百字と記号)を扱う |
一律一歯詰め組版を排す | 351–358 | 8 | 1994年*14 | 日本語の可読性とツメ組 |
写植およびQuarkXpressにおける組版演算の基礎 | 359–397 | 39 | 1993年*15 | QXの限界*16 |
*1:『文字––文化––デザイン』(阿佐ヶ谷美術専門学校タイポグラフィ・ゼミ、1993年10月)
*2:『別冊歴史読本』特別増刊「『古史古伝』論争」(新人物往来社、1993年7月)
*3:『季刊TKS』第26号(東京機械製作所、1991年10月)
*4:『アステ』第9号(リョービイマジックス、1991年11月)
*5:『タイポグラフィックス・ティ』第150号(日本タイポグラフィ協会、1993年5月)
*6:『活字礼讃』(活字文化社、1991年)
*7:『武蔵野美術』第95号(特輯=モダニズム、武蔵野美術大学、1995年)
*8:これは「幕末--大正の新聞紙面と組版意匠の変遷」と改題され『印刷史/タイポグラフィの視軸』(実践社、2005年)に訂補・収載された。
*10:『Macintosh Project News』第2巻第2号及第3号(聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト、1994年2月及3月)
*12:『Macintosh Project News』第2巻第2号及第3号(聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト、1994年2月及3月)
*13:『Macintosh Project News』第2巻第4号(聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト、1994年6月)
*14:『Macintosh Project News』第2巻第4号(聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト、1994年6月)
*15:『Macintosh Project News』第1巻第8号及第2巻第3号及第4号(聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト、1993年9月及1994年4月及6月)
*16:「そもそも『ボックスにテキストを流し入れる』という基本的コンセプト自体に限界がある」(394頁)