眠りとは何か


「夢」

眠っている間には何が起こっているのだろう、と時々思う。その日までの全記憶を未知のやり方で総点検して、「傷」を修復しているのだろうか。もしかしたら、その全記憶とはイヌやヒトとして生まれてくる以前の、三木成夫先生がいうところの「生命記憶」を含めた全記憶なのかもしれない。その全体が「夢」の究極の姿、意味なのかもしれないな。

詩人吉増剛造はその畢生の折口信夫論に『生涯は夢の中径(なかみち)』(asin:4783715874)という意味深長なタイトルをつけたことが思い出される。

眠ることは一旦死んで生まれ変わることに通じていると思うこともある。しかし社会的自己の記憶、自己の一貫性の記憶を強化する社会的圧力がその変化を覆い隠すと言えるだろうか。昨日、id:mmpoloさんのエントリーをきっかけに少しだけふれた内藤礼の作品の「分からなさ」は毎日体験している「小さな死」に関係しているのではないかと思ったりもする。