Yamazaki Winery Merlot 2006を飲む


注目!「2006年から葡萄のストレスを和らげるためにクラシック音楽を聴かせています」

予想以上に美味しかったよ。一昨日開けた Yamazaki Winery Merlot 2006。

今まで飲んだ日本産のワインって(数少ないので、その点割り引いて読んでください)、ワインになってないなと感じることが多かったんだけど、これはちゃんとしっかりとワインになっていると感じた。酸味の強さがまだ色んな意味での若さを物語っていたけれど、たしかにメルローだった。日本でも、この北海道でも、メルローが作れるんだと感動した。ちなみに、オーナーの山﨑さんが最も力を入れているのは「北海道のロマネ・コンティ」を目指しているというピノ・ノワールです。

ワイナリーとかワインのことを書くと、上品ぶったキザなグルメ野郎だと思われるかもしれないけど、全然そんなことはなくて、って言っても信用されないかもしれないけど、ホントにそんなことはなくて、そもそもワインのことに詳しいわけでもないし、それに、あくまでこの日本でのひとつの生き方として農業+αとしてのワイナリーの可能性を学んでいるだけなのです。でもワインとなると、日本酒とは違って、はなから世界標準の土俵での戦いになるので、戦い甲斐があるよなと思ったりしているんです。そもそも日本のワイナリーに注目し出したのは、玉村豊男さんが私財をなげうって始めた長野のヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー(VILLA D'EST GARDENFARM AND WINERY)がきっかけでした。

山﨑ワイナリーのオーナー山﨑和幸さんは、日本の農政や農協のあり方に深い疑問を抱き、たまたま訪ねたニュージーランドの農業の自立した自由なあり方に感銘を受けて、幾多のリスクを覚悟の上で、直販のワイン作りに矢を射った。夢中になって的を描いているうちに、北海道では栽培不可能だと思われていた葡萄が三笠(みかさ)の達布(たっぷ)の土壌にちゃんと根付き、プロをも唸らせるワイン(Yamazaki Winery Kerner 2007)も生まれた。自ら覚悟して引き受けた苦労は生き甲斐になり、やがて自分がやっていることに本当の自信と誇りも生まれる。

ワインやワイナリーに関する蘊蓄を垂れ流すのではなく、もし自分がどこかの土地で葡萄を栽培して、ワインを醸造するとしたら、何を理想に、どうやるか。そんな想いで一本のワインに籠った土地と人間の絡み合いの歴史、記憶をたまに味わったりしているのです。

何言ってんだか。十分、蘊蓄垂れてるじゃないの。

くまさん、新ゼミ生にクラシック好きはいないかもしれないけど、この山﨑ワイナリーのワインはクラシック、多分モーツァルト? を聴いて育った葡萄が原料です。