記憶の彼方へ006:私の知らない私

1、2歳の頃の私。何を見ているのだろう。視線の先には祖父か叔父がいたような気がなんとなくする。(こんな私にも可愛い頃があったことを自慢したいわけではぜんぜんない。念のため。) 撮影は昭和33、34年頃。撮影者は父。撮影場所は未詳。乳母車を兼ねたようなまだ足が届かない大きすぎる三輪車に乗っている。背景に写る板壁の粗末な家の記憶はまったくない。その家に住んでいたのかどうかも不明。右手前に、干した洗濯物が一部写っている。壁際に置かれた木箱の中身は識別できない。板壁や柱の木の香りや地面の土の匂いが目を通して感じられるような気がする。木と土の時代、、。

父が遺した膨大な量の写真のデジタル・アーカイブ化は遅々として進まない。

                               
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