ソローは<友情>について散文と韻文を駆使して語りながら、謳いながら、何気なく<革命(revolutions)>に言い及ぶ。
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彼は昼のように何も隠さなかった。
内面の力強さを感じるのは、そのためだろう。
というのも、城塞や砲門が役立つのは
弱さと罪を隠すためだから。…
夏の薄靄(うすもや)のように、彼はさっと入り込んでくるが、
私たちには新鮮な光景の静かな出現なのだ。
不平の呟きもなく、大空の下の
一枚の葉のかすかな音で、革命は行われる。…
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー著、山口晃訳『コンコード川とメリマック川の一週間』301頁〜302頁
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On every side he open was as day,
That you might see no lack of strength within,
For walls and ports do only serve alway
For a pretence to feebleness and sin....
He forayed like the subtle haze of summer,
That stilly shows fresh landscapes to our eyes,
And revolutions works without a murmur,
Or rustling of a leaf beneath the skies....
Henry David Thoreau, A Week on the Concord and Merrimack Rivers, LA.*1, p.212
友情においてこそ目立たないが実は革命が進行しているのだ、とソローは謳う。驚いた。そういえば、ジョナス・メカスが友よ、友よ、友よ、フレンズ、といつも語りかけてきたのは、彼流儀の革命工作であったのか! なんとなく分かっていたが、今、はっきりと分かった。
*1:Henry David Thoreau, A Week on the Concord and Merrimack Rivers; Walden; or Life in the Woods; The Meine Woods; Cape Cod, The Library of America, 1985