折口信夫とマイルス

雑誌『國文學』9月号「折口信夫---新しく見えてきた像(かたち)」に吉増剛造さんの尋常ならざるテクスト「常世へ、底凝(ソコ)りの常世へおりていく------「妣(ハヽ)ノ声」他」が掲載されている。それは折口信夫の「妣が国へ・常世へ 異郷意識の起伏」(1920)からの短い引用で始まる折口信夫のテクストの「そこり」への「四十年、五十年」かけての接近と接触の途方もない振幅と深さの経験を綴ったものである。「弱音器(ミュート)を口に添ヘたマイルス(Miles Davis, 1926-1991)ノ姿=佇まい=歩行感」までもがそこに呼び出されていることに私はぶったまげた。手元に「折口信夫全集2」はないので、もしかしたらと思い、Googleで検索したら、「ウラアオゾラブンコ」の「折口信夫」がかなり充実してきていることを知った。三島由紀夫柳田國男による折口信夫の回想録が面白かった。XHTML版「妣が国へ・常世へ 異郷意識の起伏」を読むこともできた。また、「文学者掃苔録図書館」には折口信夫の墓に関する情報が載っていた。「掃苔(そうたい)」という言葉を初めて知った。思いがけない「検索」の道だったので、記録しておこう。

「ウラアオゾラブンコ」
http://uraaozora.jpn.org/index.htm
折口信夫 Orikuchi, Shinobu
http://uraaozora.jpn.org/orikuchi.html

「妣が国へ・常世へ 異郷意識の起伏」折口信夫
http://www.aozora.gr.jp/cards/000933/files/13212_14465.html
底本:「折口信夫全集 2」中央公論社
   1995(平成7)年3月10日初版発行
底本の親本:「古代研究 民俗学篇第一」大岡山書店
   1929(昭和4)年4月10日発行
初出:「国学院雑誌 第二十六巻第五号」
   1920(大正9)年5月

「文学者掃苔録図書館」
http://www.jah.ne.jp/~viento/soutairoku.html
折口信夫(1887-1953・明治20年-昭和28年
昭和28年9月3日歿 66歳 石川県羽咋市一宮町・共同墓地
http://www.asahi-net.or.jp/~pb5h-ootk/pages/O/orikuchishinobu.html