大学かビジネスか:N君のプレゼンテーション

今週木曜日(11/16)の専門演習では、いつものように、お互いに1週間の「成果」を報告しあいはじめたのだったが、N君の様子がおかしい。「人生に煮詰まっている」。そう感じた私は荒治療に出た。彼をホワイトボードの横に立たせ、ポイントを板書しながら、現在直面している問題に至る個人史を振り返る、つまり追体験するような「プレゼンテーション」をさせた。

こう書くと、私がサディスト教師のように思われかねないが、美崎さんには「舌なめずりしている姿が浮かぶ」と書かれそうだが、決してそんなことはない。現にN君自身、今まで見せなかった生き生きとした話し方をし、ある場面では真剣な眼差しで、こちらに質問さえ向けたのだった。彼はそうしたかった節さえあったし、結果的にも、彼は自分が何に「煮詰まっているのか」がかなり明確につかめたようだった。よかった。

その時になるまで、私はその日の演習がそうなることは全く予想できなかった。

詳細はプライバシーに関わるので書けないが、その時の空気はこのホワイトボードに写っていると思う。赤や青の文字を中心にミミズのような筆跡は、私が随時突っ込みを入れながら、N君の無意識を言葉にしていった跡である。M君も何度も鋭い突っ込みを入れた。

N君のプレゼンテーションが終わったとき、すでに昼休みに30分食い込んでいた。