一枚のレターサイズの紙の情報量は43ペタバイトを超えるかも

情報って、量じゃない、やっぱり質だよな、と改めて感じた。

金城さんが、書籍電子化の話題で面白いことを呟いていた。

1冊あたり1.5GBくらい(業界標準らしい)を想定した場合に、アメリカにある約3,000万冊(多分)の書籍がすべて電子化された暁には43ペタバイトくらいになる(かもよ)という計算を披露して、金城さんはいつものようにさりげなくこう注意している。

でも、それって、Googleのサーバーが54時間程度で処理する量なんだって。この世界、すごいんだか、たいしたことないんだか、よー分からん

私にはもっと「よー分からん」世界だが、よく分かることは、よー分からん世界にあんまり振り回されないほうがいいよ、という金城さんの暗黙のメッセージである。

グーグルが株式公開した2004年の夏に、私はそのお膝元で、グーグルなんかどこ吹く風のような生活を送っていた。金城さんのエントリーを読む直前に、偶然にも、その頃毎日しこしこ当地で書いていたメモが出てきて、その情報の、何て言えばいいのだろう、質的情報量? そうだ、タフテ流に言えば、少なくとも私にとってはとんでもなく情報解像度の高い、言い換えれば、想起の引き金に溢れ返った一枚のレターサイズの紙を懐かしく眺めていたのだった。

これは形式的には数十キロバイトの情報量しかないだろう。でも私にとってはそれこそ43ペタバイトなんてものではないほどの情報価値を持っているはずだと直観した。

量と質。普通私たちはそれらを全く異質な物差しだと思い込んでいる。が、しかし、本当にそうだろうか。質的量とか量的質とか呼ぶしかない物差しが潜んでいて、本当はそっちの方が人生にとっては大切なのではないか。

そんなことを妄想させられた金城さんのエントリーだった。ありがとう。