戯言
何のためにブログなんか続けてるの? いや、何のためとかじゃないよ。 えっ?どういうこと? それ自体のためだよ。 えっ?ますます分かんない。 分かんないかなあ。 分かんないわよ。 分かんないかなあ。 分かるわけないじゃない。ちゃんと説明してよ。 面倒…
Idag är första dagen på resten av ditt liv. スウェーデン語の気の利いた言い回し。「今日という日はあなたの残りの人生の最初の日」ほどの意味。「今日という日は残りの人生の最期の日」と紙一重に響き合う。「å」の小さな丸が可愛い。「リング符合」とい…
「売られた喧嘩は勝ち負けは度外視して買うべし」 「また、唐突に、どうしたの?」 「いや、アイヌのエカシの教えだよ」 「エカシって?」 「長老のことさ。全うな人間として生き切る知恵を持った者のことだよ」 「それで?」 「いや、売られた喧嘩は買うべ…
どうして人間はあんなにかまびすしいのかしら。巡る季節や一木一草に寄り添って静かに生きられないものなの? 憐れね。ほら、そんなことを思っているあいだにも、油断も隙もありゃしない。マサオという人間は私が気づいてないとでも思っているのか、断りもな…
「年に一度便りがあるかないかぐらいが本当のつながりだよな」 「また何を言い出すの。そんなのつながりなんて言えないわ」 「分かってないな。毎日顔を合わせて言葉を交わしてたって何にも分かり合っていないならつながりなんて言えないじゃないか」 「何そ…
「旅の話ほど詰まらんものはないよな」 「また始まった。へそ曲がりの屁理屈が」 「だって、今ここにいるだけでも、途方も無い旅の途上なんだから、ここではないどこかへ行くことなんて、高が知れているじゃないか」 「それは折り込み済みで、旅ってことでし…
Grim Street 「死に急ぐくらいなら、死ぬ気で逃げればいいのに」 「あんたみたいに卑怯でも無責任でもないのよ」 「・・・」 「卑怯とか無責任なんて狭い世間の話だって思ってるんでしょ?」 「・・・」 「でもね、事情は伝わるでしょ。伝わらなきゃ意味ない…
「最近、月の写真ばっかり撮ってるじゃない」 「・・・」 「死の本能的恐怖を乗り越えるための不死の観念にまつわる物語や神話とか、闇の世界、狂気の世界にまつわる文学とか、そのあたりのことを意識してるわけ?」 「・・・」 「本棚にはネフスキーの『月…
「いつになったら、世の中は私に追いつくのかしら?」 「……」 「あなたは、いいわね」 「……」 「自分のことしか考えてないから」 「……」 「そのうちすべてから見放されるわよ。分かってると思うけど」 「……」 おお、夢か。
「馬鹿の一つ覚え」とか「出しに使う」という日本語の言い回しの正しい意味が分からなくなってきた。ちなみに、英語では「馬鹿の一つ覚え」に相当する表現は、「A fool always tries to show off the only thing he knows.」で「愚か者は自分が知っているた…
'Round Midnight, Thelonious Monk セロニアス・モンクが1940年頃に作曲し、1944年に公表した“'Round Midnight”(一説には、1936年、19歳の時に “Grand Finale” の名で書かれた曲が雛形らしい)は、ジャズの曲のなかでも最多のレコーディング数を誇り、千を…
死んだ友だちと手をつないで この庭を歩く。(デレク・ジャーマン) derek jarman's garden, 1995, p.81, asin:0500016569 毎朝、主を喪った庭、廃庭を覗く。もう何年経つだろう。毎年草木は同じように亡き主のために季節の移り変わりを告げている。庭が墓に…
この一枚の絵が昨日からTumblrで流れ始めた。これはアメリカでかなり評判になっている4歳児から8歳児向けの「It's a Book」と題した絵本のなかの一頁である。アマゾンの紹介ページではその絵本のビデオ・トレーラーまで用意するほどの力の入れようである。…
あの人と歩く夢を見た。あの人は記憶は傷のようなものだ、と繰り返しつぶやいていた。程度にはいろいろある。種類にもいろいろある。事故で負った傷、他人につけられた傷、自分で自分につけた傷、他人につけた傷、、。私にというわけでもなくぶつぶつ言った…
老婆心ながら、ちょっと書いておきたい。 萌時 海さんが、いつの間にか肩書きをそれまでの「書き手」から「詩人」に変え、ブログ圏のコミュニケーション作法の常識を遥かに越えて、言葉の「死線」を綱渡りするような驚くべき強度の詩編を次々とこのウェブ界…
女房は蜘蛛が大嫌いである。私は蚊が大嫌いである。今年は例年に比べ蚊が少ない。私は嬉しい。だが、蚊が少ないのは今年はわが家の周囲に蜘蛛が目立って多いからである。女房からは蜘蛛を見つけたら退治してくれるように頼まれていて、「分かった」と返事だ…
ときどき電源を切り忘れたまま手に持っていたり、テーブルの上に置いたままにしてあるカメラにふと気づくと、思いがけない光景が液晶画面に写っていてハッとすることがある。カメラのやつ、こんな景色を見ていたのか、と思う。私の意識とは別個の意識がカメ…
昨夜遅くというか今朝早く帰宅してテレビをつけたら「朝まで生テレビ」をやっていた。やけに太った堀江君がリトル・アメリカな病的にガキっぽいことをしゃべっていて思わず笑ってしまった。彼に迎合するような若手議員や中年議員や新聞情報に依存している年…
メカスは3月29日の日記で、三冊の興味深い本を紹介しながら、 Here are three amazing books I have been reading on and off simultaneously, lately (I never read only one book, I keep switching between three, four, and more at the same time): と…
母が生きていたら、こんな話を聞きたい。そんな話を聞くようにして、昨夜は森崎和江さんの文章を読んだ。ものを見る、ものを語る、ものを書くときに、体の奥の方でいつもひっかかりを感じているのは、産む性としての女、そしてこの私を産んだ母の存在と視線…
かつてチェット・ベイカーが限りなく軽快に演奏し、限りなく虚ろに歌ったレッツ・ゲット・ロスト(Let's get lost)のニュアンスに近いレッツ・ゲット・アストレイ(Let's get astray)。アストレイ(astray)はストレイ(stray)の派生語。ストレイと言えば…
自分がやっていることの根源的な意味というわけでもないのですが、なんとなく拠り所、縁(よすが)のようなものになっているイメージがあります。それは船です。自分は船を作ろうとしているというイメージというかヴィジョンがときどき頭の中に浮びます。そ…
人生に災難や事故や過ちはつきものだ。それらはその後の人生にさまざまな制約をもたらす。だが、1円にもならないプライドを捨て、そんな制約をゲームの規則だと思って楽しんでしまえば、たいていのことは上手く行く。人は放っておくと漠然とした不安や不幸…
やりたいことがあればとことんやるしかないし、欲しいものがあれば自分で作ってしまえばいい。他人(の欲望)を代表するフリをしない。私は私を代表するだけでいい。もし他人(の欲望)を代表しようとするなら、それなりの覚悟が要る。私を捨てる覚悟。それ…
私が〜であるということは、様々な関係にあるということで、それらの関係を持っていると幻想した途端、私はその幻想に振り回される。関係を持つことはできない。関係はたえず生成変化に晒されている。関係を維持するというが、それは関係の生成変化、時には…
一昨日、8月21日に52歳の誕生日を迎えた。朝、携帯に坂東さん(id:keitabando)からハッピーバースデーメールが届いてびっくりして思い出した。すっかり忘れていた。そのうち、Facebookで山崎さん(id:caesarkazuhito)と再び坂東さんから、そしてメールで小…
パトリック・ブラン(Patrick Blanc)から植相を「垂直」に見る眼を学びつつ、町内の隠れた、つまり私だけの、「想像上の垂直庭園」(Imaginary Vertical Garden)を探すようになった。 藤棚ならぬ、藤壁の路地。フジ(藤, Japanese wisteria, Wisteria flor…
風太郎が死んで三ヶ月。ひとりの散歩にもだいぶ慣れてきた。歩くペースを意識的にかなり遅くした。ゆっくり、を心がけている。自然と目にとまるものが増える。シャッターを切る回数が増える。毎朝、小一時間の間に百枚くらい撮っている。以前の三倍だ。もち…
二週間ほど娘の引っ越し等の手伝いをしてきた女房の東京土産。ウカツなことに、てっきり、「トーキョーバナナ」だと思っていたが、違った。「東京ばな奈」だった! しかも「見ぃつけたっ」と追い撃ちをかけている! なかなかやるなあ。販売社は阿佐ヶ谷南の…
You don't know what love is Til you’ve learned the meaning of the blues Until you’ve loved a love you've had to lose You don't know what love is more... Chet Baker - You Don´t Know What Love Is Billie Holiday-You Don't Know What Love Is