本が見る夢

個々の多種多様な本たちが「本なるもの」になるのは、読書をおいてほかにない。そこで「本(The Book)」の真の姿とはどんなものなのかとよく想像する、妄想する。それはもしかしたら、ウェブにかなり近い姿をしているのかもしれないな、と思うことがある。かと思えば、いやいや、やっぱり手に触れ、重みを感じ、匂いさえ感じながら、ページを捲りながら、五感と頭をフル稼働して交わるものこそが本じゃないか、と思うこともある。そんな、こんなの想像の果てに、もし私が本になるとしたら、どんな姿をしてどう読まれることを夢みるか、などと荒唐無稽なことを考え始めていた。本が見る夢。