2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

エゾノコリンゴ、ノイバラ

エゾノコリンゴ(蝦夷小林檎, Manchurian Crab, Malus baccata var. mandshurica)の果実の面々。かなり「来ている」。ソローに倣って舌の野生を目覚めさせるために、賞味してみるつもりだったが、情けないことに、口に入れてみる気にはなれなかった。若い枝…

カラスとプラタナス

道 空 ハシブトガラス(嘴太烏, Jungle Crow, Corvus macrorhynchos) プラタナス(紅葉葉鈴懸の木, London plane or Sycamore, Platanus acerifolia)

野生の舌

何度も凍結と解凍を繰り返したエゾノコリンゴ(蝦夷小林檎, Manchurian crab, Malus baccata var. mandshurica)の果実(2009年12月23日撮影) 満開の蝦夷の小林檎の下で(2008年5月16日撮影) ソローは「野生りんご」(Wild Apples, 1862*1)と題した林檎の…

プラタナスの雪葬

気分が重い。低気圧のせいかと思ったが、それだけではなかったようだ。雪が降った。湿って重たい雪が。プラタナスの「伐採」は昨日の事故のためか、降雪のためか、一時中断した。四本あるうちの一本が幹の途中から切り倒されたままだった。痛々しい斜めの切…

殺す技術、生かす技術

asin:4047913243 ブルース・チャトウィンは、流浪の狩人を「ノマド」とみなす世間の誤解を正すために、狩猟は動物を殺す技術であり、牧畜は動物を生かして役立てる技術であり、「正統のノマド(遊牧民)」は移動する牧畜者であると述べた(『どうして僕はこ…

さらば、プラタナス

我が家の雪トトロ 原生林 猫か 愛しのシメ(蝋嘴, Hawfinch, Coccothraustes coccothraustes) スズメ(雀, Tree Sparrow, Passer montanus)の尻六つ たんぽぽ公園のアジト跡に小枝を挿してきた。伊藤姉弟は気づくか? 「排雪 1t ダンプ 1台 7,350円 税込…

ソローと宮本常一

asin:4875022271 しばしば「森の哲人」と呼ばれるソローは、実は「海の哲人」あるいは「海辺の哲人」でもあった。本書『コッド岬』はその証しである。*1カバーの表題の右上に小さく「海辺の生活」とある。原書には見られない余計な配慮のようにも思われるが…

Sainte Terre, Sainte-Terrer, Saunterer

ソローの遺作“Walking”の邦訳で、大西直樹氏が「そぞろ歩き」と訳し、故木村晴子氏が「散策」と訳した英語 ‘sauntering’ は、ソローによれば、聖地を意味するフランス語 ‘Sainte Terre’ に由来するという。そんな語源説を述べるくだりは原文ではどうなってい…

ヌルデの果梗

電柱のビラ。ラフな手書き。 電柱のビラ。ワープロ書き。 建設中の家の扉にLeksands Dörrenのロゴが。書体へのこだわりが感じられる。頭文字Lをフラクトゥールっぽくマーク化し、社名にはセリフのイタリック(未詳)、URLと注意書きには清潔なサンセリフの…

椿(ツバキ)と동백(トンベック, dongbaeg)

asin:4896944526 『植物和名の語源探究』(八坂書房、2000年)のなかで、深津正(ふかつただし)氏は各種のツバキ語源説を検討した結果、與謝野鉄幹、司馬遼太郎、そして中島利一郎の主張を挙げ、さらに自身の体験も踏まえて、ツバキの語源は朝鮮語であると…

スーザン・ソンタグとパティ・スミス

asin:475714198X 木幡和枝訳、スーザン・ソンタグ著『同じ時のなかで』(NTT出版、2009年)。 安寧は人を孤立させる。孤独は連帯を制限する。連帯は孤独を堕落させる。(339頁) まるで多元連立方程式のように命題を連打して、ソンタグは自身をどこにどう位…

ヤクルトおねえさんに感謝された朝

ヤクルトおねえさんに先日の件(→ 「ヤクルトおじさんになった朝」)で感謝される。離れた所から見ていたらしい。ヤクルトおねえさんは今朝も自転車を置いてどこかへ消えた。自転車での移動だけでなく、かなり広範囲に走り回っているようだ。 ヒヨドリが三羽…

ソンタリング(Sauntering)と詩人

asin:4861100305 ソローの遺作『ウォーキング』(1862年)を読む。ソローは中世の巡礼に由来する聖なる歩行、「ソンタリング(Sautering)」を喚び出しながら、人間にとっての「歩く」ことの根源的な意味に迫ろうとする。 これまでの生涯を通じて、ウォーキ…