2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ヒマラヤユキノシタ

札幌、薄曇り。藻岩山の雪が消えた(→ Mt. Moiwa, April 10th, 2008)。あるアパートの通りに面した小さな花壇の物陰でひっそりと咲いている花に気づいた。大きな葉がすでに萎れていた。ヒマラヤユキノシタ(ベルゲニア, Bergenia, Bergenia stracheyi)だっ…

文字の辺境、無音の約物の世界は賑やかだ

「藤岡弘、」、「モーニング娘。」…。知らなかった。芸名に句読点やピリオドが含まれる芸能人がこんなにいるとは。芸人ではないが、そういえば、知り合いのデザイナーは「takuo.. .」だった。シャレたことをしているなあと感じていたが、文字世界の辺境に遊…

活字関連三冊の内容

『東京大学コレクションIII 歴史の文字 記載・活字・活版』西野嘉章編(東京大学出版会、1996年)の内容 asin:4130202030緒言 総合研究博物館(3–4頁) 特別展示の開催に寄せて 吉川弘之(5–7頁) 歴史の文字 記載・活字・活版 西野嘉章(8–15頁) ゲタと印…

フキノトウ

札幌、晴れ。ちょっとゆとりのある真新しいブレザーを着た初々しい新中学1年生たちとすれ違う。藻岩山をバックに小さく写っている(→ Mt. Moiwa, April 9th, 2008)。原生林のフキノトウ(蕗の薹, Fuki, Giant Butterbur, Petasites japonicus)。空き地や…

チオノドクサだった

札幌、薄曇り。無風。「めんこいねえ、めんこいねえ」のおばあちゃんが「一服」していた(→ Mt. Moiwa, April 8th, 2008)。ああ、開きかけている。一昨々日は固く閉じていたので、見当もつかなかったが、これはチオノドクサ(Glory of the snow, Chionodoxa…

情報文化論 2008 第1回 インターネットは君に開拓されることを待っている

情報文化論の受講生の皆さん、こんにちは。今日からいよいよ2008年度春学期の講義が始まります。楽しみですね。公式の情報はシラバス等で承知していることと思います。ここでは、非公式というわけではありませんが、本音の部分を少しだけ告白して、講義に賭…

これが私の仕事現場のひとつです:教室にて

講義開始直前の教室の風景。まだ、入口でうろうろしている学生もいる。 撮影に強力してくれた皆さん、ありがとう。そして話を真剣に聞いてくれてありがとう。よく見ると、やっぱりポーズをとっている奴もいるなあ(^^)

痩金体の消息:普遍書体はありうるか

中国の宋代の皇帝徽宗(きそう, 1082–1135)が考案した痩金体(そうきんたい)という楷書の書風がある。力強い硬い線で書かれ、キツい印象の書体である。「金属」的な印象から「痩金体」と命名されたらしい。 欲借風霜二詩帖*1 http://ja.wikipedia.org/wiki…

雪割草だった

札幌、薄曇り。無風。 ああ、花が開いている。一昨日はまだ半開きだった。雪割草(Mealy primrose, Liver leaf, Hepatica nobilis var. japonica)だった。

小さな紫の花

札幌、晴れ。無風。暖かい。 ああ、また見知らぬ小さな紫の花が咲いている。

府川充男の杉浦康平評

1994年に府川充男は杉浦康平の仕事をこう評した。 70年代以降の組版技法における例外的に優れた達成としては杉浦康平のいくつかの仕事がある(もとより杉浦による新しいエディトリアル・デザインのスタイルと発想の提唱は”グラフィズム”ないし情報編輯全般に…

寄り引きの補正、私のささやかな実験

府川充男氏はタイポグラフィの技術の「いろは」を二点に要約する。 「タイポグラフィ」ということのアルファにしてオメガというのは、何をどう組み合わせるか、つまり、第一に、どういう形の文字を、つまりどういう字体・書体・書風の文字を、第二に、どのよ…

見知らぬ花

札幌、晴れ。フクジュソウ、クロッカスの他に、見知らぬ四種の花を見かけた。昨年の今頃は見かけなかった花たち。

呪文、暗号(cipher)?

たまたま立ち寄った山中の寺で呪文的筆致の「南無妙法蓮華経」に出会った。。その寺にはなぜか「法龍水」と名付けられた正しく「龍=水」を祀る祠(ほこら)があった。その中には呪文的筆致の文字が禍々しく蠢く掛け軸まであった。しかも思わず眼を見張った…

テクストの領土、組版の領域

世の中にはテクスト右派とテクスト左派がいる、と考えた。いわゆる本好きはテクスト右派。テクストは読めりゃいい派。いわば真性意味中毒者。対して、私がなりかけている字体、書体、書風まで気にするのがテクスト左派。テクストは読めりゃいいってもんじゃ…

同じ「か」でも:現代の新聞書体

朝刊(朝日新聞)に目を通していて、ふと平仮名の形が気になった。よく見ると結構凝った書風であることに気づいた。「の」の払いの曲がり具合、「か」と「が」の撥ねの角度などに独特の書風を感じた。そもそも新聞で使われる書体は雑誌や本とは一線を画す、…

キレンジャク

札幌、雨。藻岩山は霞む(大判→ Mt. Moiwa, April 4th, 2008)。 原生林に群生するオオウバユリ(大姥百合, Giant lily, Cardiocrinum cordatum var.glehnii.)。そこだけ帯のようにまだ雪が残っている。 民家のテレビ・アンテナに9羽のキレンジャク(黄連…

飛んでる平仮名:嵯峨本『伊勢物語』*1

国立国会図書館に行ってみたら(もちろんウェブ)、「貴重書展」をやっていて、以前からちょっと見たかった江戸時代初めに印刷された「嵯峨本」と呼ばれる当時の高級本に入る『伊勢物語』が展示されていた。が、ウェブ上ではデジタル画像は一枚しか見ること…

イカル、シャクナゲ

札幌、薄曇り。逆光の中、頭も見えなかったため決定的な特徴がつかめなかった雀より一回り大きな野鳥。写真で翼の白斑、黄色っぽい嘴の一部がかろうじて確認できた。今年に入って3月2日に一度だけ見かけたイカル(斑鳩・鵤, Masked Grosbeak, Eophona person…

タフテ、タフテという呪文

以前、英語印刷物を作る際の詳細な組版ルールを記した米国版マニュアル『シカゴ・マニュアル』*1と英国版マニュアル『オックスフォード・ルール』*2を取り上げた。 『シカゴ・マニュアル』はとってもクールだ(2008-03-16) 『英文日本大事典』と『シカゴ・…

エイプリル・フールに乗せられた日の翌朝、白樺が美しく見えた

札幌、晴。強風は収まった。青空を背景に白樺が映える。昨日はある人のエイプリル・フールに思い切り乗せられた(笑)。それで、エイプリル・フールのユーモアないしジョークとしての許容範囲ということをちょっと思った。結論は、線引きは難しいということ…

『組版/タイポグラフィの廻廊』の中身、平仮名の実験

本日、先の「タフテ」と一緒に府川充男他著『組版/タイポグラフィの廻廊』(白順社、2007年12月、asin:4834400980)が届いた。「はしがき」によれば、本書は当初『組版原論』の新版として企画が持ち上がったらしいが、諸般の事情から、「旧著から講演一本の…

ジョン・ケージの「楽譜」を鏡にして:ハングルの音楽性と平仮名の音楽性

アジアの本・文字・デザイン―杉浦康平とアジアの仲間たちが語る作者: 杉浦康平出版社/メーカー: DNPグラフィックデザインアーカイブ発売日: 2005/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (16件) を見る 杉浦康平と韓国のデザイナー…

トウモロコシ畑

札幌、曇り。風が強い。帽子を飛ばされそうになる。ときおり大きなうなり声が上がる。それにカラスの声が重なる。思わず「寒いっ」と口にして、一瞬実際に身が縮まるが、次の瞬間、その寒さを感じられることが幸せなことだという観念が頭を掠めて、身が少し…

広告パラダイム

以前、印刷史上われわれは書体的には「築地体パラダイム」のなかにいると書いた。 「築地体パラダイム」(2008-03-24) そのさらに背景に控えるパラダイムが広告であることを知った。 今朝の朝刊(朝日新聞)の国際面で目をひいた記事。「姿消す」という見出…