2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

注連縄に虹を見る

〆の子(しめのこ) 紙垂/四手(しで) 鈴緒(すずお) 手水舎(ちょうずや・てみずや)藻岩神社では、鳥居と拝殿に張られた注連縄(しめなわ)が一際目をひく。よく見ると艶かしい形態だ。なぜか、ときどき虹を連想することがある。注連縄は聖俗の境界画定…

風船とカラスの巣

木の枝にひっかかった風船が風にゆらゆらと揺れていた。 大きな鳥の巣にカメラを向けたら、どこからともなくカラスが一羽飛来して、睨まれた(ような気がした)。巣の右やや下にカラスがいるのが見えますか?

見すぼらしくて美しいもの

佐野眞一は『日本のゴミ』(asin:4480033297)の「エピローグ」で梶井基次郎の小説『檸檬』(1925)の一節をどの版か不明だが新字旧仮名で引用している。 何故だか其頃私は見すぼらしくて美しいものに強くひきつけられたのを覚えてゐる。風景にしても壊れか…

FIAT Panda

クロッカス(crocus, Crocus)。花はまだここだけ。目が喜ぶ。 札幌のワサワサ犬、ハナばあちゃん、日向ぼっこ中。 FIAT Panda 四駆。可愛い。 おお、出てきた、出てきた。未同定。

幻の写真集『紅頭嶼ヤミ族民族図誌』(1945)

『Illustrated Ethnography of Formosan Aborigines, The Yami Tribe(紅頭嶼ヤミ族民族図誌)』(『宮本常一、アジアとアフリカを歩く』201頁より) 表紙(Open Libraryより) 『宮本常一、アジアとアフリカを歩く』(asin:4006030320)に収められた「台湾…

トウモロコシ畑、バオバブの記憶

札幌、晴。陽の当る隅っこだけ雪解けが急速に進み、土が出てきたトウモロコシ畑。 朝刊で目にとまった本橋成一の写真集『バオバブの記憶』。 バオバブの記憶作者: 本橋成一出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/03/01メディア: 大型本 クリック: 4回この商品…

空景

新しい飛行機雲。 古い飛行機雲。二本とも日本海方面に向かう航跡。「破壊措置命令」下の緊急配備の自衛隊機だろうか。そういえば、昨日の夕方、何度も大気を切り裂く音が聞こえた。 ヴェールのような雲。いわゆる「すじ雲」にしては低層。

夜の散歩

夕方から雪が降り始めた。夜の散歩に出る。屋根や路面に薄らと雪が積もっていた。静まり返った裏道で自分の足音と呼吸音だけが聞こえる。吐く息が白い。舗装された道は街灯に照らされ、ライフラインの整った町が一瞬ゴーストタウンのように思えた。誰にも会…

雀始巣(すずめ はじめて すくう)

いい感じの空。藻岩山から吹き下ろす冷たい風に思わずダウンジャケットのファスナーを上端まで上げる。 いい感じの二つの大きな白い雲が風にすこしずつ形を変えながらゆっくりと流され合体しつつあった。 春の訪れの合図にちょっと待ったがかかった感じ。 藻…

コンドイ・ビーチの水牛たち

最近、作りっぱなし、売りっぱなし、使い捨て放題、切り捨て放題のこの国の現実ばかり見ていたせいか、なんと水牛が人間と一緒に観光案内の仕事をしている土地があるのを知ってとても嬉しかった。 花咲きみだれる琉球古民家の集落を歩く 木陰で休憩中の水牛…

記憶のシマをつくる

宮本常一、アフリカとアジアを歩く (岩波現代文庫―社会) 宮本常一と東アフリカを旅する。頼もしい伊藤幸司さんが一緒だ。伊藤幸司さんは肩書きは探検家または登山家で写真家。後年あの『宮本常一写真・日記集成』(asin:462060609X)の編集にも携わることに…

スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)!

道端に積み上げられた雪もずいぶん少なくなった。 昨年と同じ場所で同じ日に今年最初の花を見る。スプリング・エフェメラル(春の訪れを告げる花の仲間)のクロッカス(crocus, Crocus)。

冬に逆戻り

Winter Making Brief Comeback, 55sec. 午後から雪になった。気温はみるみる下がり、冬に逆戻り。朝、春の訪れを告げる花を見たのが嘘のようだ。それもまたよし。午後11時過ぎ、近所のコンビニに買物に行く。数センチの積雪。路面は凍結。

あぶないからはいってはいけません!

入って危ない空間は見当たらなかった。警備員のイラストを観察しているうちに、最初は髭に見えたグレーの線が口、その下の短い黒い線が顎の線に見えて来て、混乱した。「M-2」という記号が何を意味するのかも気になった。 我が子らが通った中学校。二人とも…

健全な資本主義すら不健全だったのか

日本に健全な資本主義を根付かせようとした渋沢栄一(1840–1931)、それを継承しながら進んで没落する一方で真っ当な学問の土壌を耕した孫の渋沢敬三(1896–1963)、そしてその狭間にあって遊蕩に身をやつし廃嫡の憂き目にあった渋沢篤二(1872–1932)。 渋…

日本列島の素顔はゴミ列島

日本のゴミ―豊かさの中でモノたちは (ちくま文庫)作者: 佐野眞一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1997/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る 一昔以上前に書かれた本書を読んで、戦慄した。自分が生まれ育ち、現在も…

ツグミ談義

札幌、曇り。朝のうち小雪がちらつく。寒気によって春が少し押し戻された感じ。気温はマイナス1、2℃か。藻岩神社の石段にうっすらと雪が積もっていた。ツグミ(鶇, Dusky Thrush, Turdus naumanni)を撮影しているとき、背後で軽自動車が停まった。振り向…

高齢者の「漂流」、若者の「逆流」

左:「朝日新聞」3月21日、右:同3月22日 暗澹たる気分になる。10人が亡くなった群馬の高齢者専用施設の火災は、専門家が指摘する急増する無届け施設の「ヤミ市場」的実態、国や行政の無策を露呈させただけでなく、また、改めて老後の不安を喚起させたにとど…

石段

札幌、曇り。ときおり湿った生温い風が吹く。上空の雲の複雑な様子からも大気が不安定であることが分かる。雨になりそうだ。藻岩神社の石段に使われている札幌軟石(石山軟石)は、石の山から人の手で切り出された時についた傷が温もりのある模様となって目…

グラウンドはまだ雪に覆われている

散歩往路 藻岩神社 散歩復路目覚めたときに気分が軽い日はたいてい晴れている。気分の軽さは気圧にも関係しているのだろうが、青空が広がっているのを見ると、体が何ミクロンか浮びあがるような気さえする。札幌、晴。昨日は濡れていた道がすっかり乾いてい…

四十九日

今日は風太郎の四十九日。特別なことは何もしなかった。ただ気持ちに大きな一区切りがつくのにちょうどいい時間が流れたことを噛みしめていたような気がする。mmpoloさん推薦の本を読みたくなった。

遠い「山びこ」

遠い「山びこ」―無着成恭と教え子たちの四十年 (新潮文庫) 無着の教育は、山元中学校の正門前に立つ二宮金次郎の銅像をいわば半面教師とするものだった。その銅像が象徴する忍耐と勤勉のなかにかくされたごまかしを、子供たちと一緒になってあばきだしていく…

現代の「寒山拾得図」?

あぶく銭師たちよ!―昭和虚人伝 (ちくま文庫) 佐野眞一は早くも1989年に「バブル時代」を総括する本を世に問うた。ただし、当時はまだ「バブル」という言葉は人口に膾炙しておらず、「あとがき」の中でも「土地と株に狂奔し、座標軸を失って、空騒ぎのイベン…

小雪

曇。気温が下がり、小雪がちらつく。アスファルトが濡れ、藻岩山見えず。 藻岩神社の石段。札幌軟石(石山軟石)が使われている。 立ち枯れしたまま冬を越えたノラニンジン(野良人参, Wild Carrot, Daucus carota)。

足裏に春を感じる

薄曇り。無風。暖かい。プラス10℃くらいか。裏道のアスファルトの路面も乾いてきた。今日から深いスノーブーツを浅いスノトレ(スノートレーニングシューズまたはスノートレッキングシューズの略)に履き替える。体が軽くなり、足裏に春を感じる。日陰には…

ブラックマーケット

第三の男 [DVD] FRT-005出版社/メーカー: ファーストトレーディング発売日: 2006/12/14メディア: DVD購入: 3人 クリック: 71回この商品を含むブログ (53件) を見る 映画「第三の男」(1949年)をみる。何年ぶりだろう。冴えわたった画面に思わず引き込まれる…

春が近いねえ!

薄曇。ところどころに晴れ間あり。ゴォー、ゴォー、裏山の林が大きく揺れる。藻岩山から吹き下ろす風が冷たい。突風に帽子を飛ばされそうになるたびに、慌てて手で押さえる。塀に沿って残る雪を崩し、陽の当る場所に運んでいた顔見知りのFさんが、私に気づ…

野生のオオカミの面影

薄曇り。無風。暖かい。プラス7、8℃か。藻岩山は霞んで見えた。陽の当る道の雪は融けてアスファルトの路面が続く。藻岩神社の石段の雪も融けて消えた。Mさんちのガレージの前で横になっていた「札幌のワサワサ犬」ハナが私に気づいて身を起こした。声をか…

とろろ昆布

「信用」という意味の英語の credit や goodwill に相当する「暖簾(のれん)」という言葉への興味から、山崎豊子のデビュー作『暖簾』(1957年)を読んでいたら、祖父母と一緒に暮らしていた頃よく食べた、昔懐かしい、とろろ昆布を食べたくなって、仕事帰…

悼む人々

イザベラ・バードの日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー) 今から130年前の1878年(明治11年)に英国人女性イザベラ・バードが日本列島を旅した。彼女が歩いて、見て、聞いて、記録した「日本」を、それから約100年後の今から約30年前に宮本常一が解説した。そ…