音楽

今こそ歌うべき時

ストラスブール在住の小島剛一さんから便りがあった。フランスでも連日、日本の地震と津波による被害の様子と原発事故の経過が大きく報道されている。そんななか、3月25日に当地で予定されている日本の歌を中心とした合唱コンサートの開催を危ぶむ声が聞かれ…

Luiz Bonfá & Elizete Cardoso

Manhã de Carnaval(2009年10月13日)

思考の夢 my thought-dreams

... Say okay, I have had enough What else can you show me ?And if my thought-dreams could been seen They'd probably put my head in a guillotine But it's alright, Ma, it's life, and life only. See all ... OKだよ、もうたくさんだ 他に何か見せ…

置いてけぼりの大逆転

「置いてけぼり」っていいな。浮き足立って無闇に前進しようとしたってねえ。戻っておいでよ、今ここ、に、ね。 夜中に ぽつんと起きていますと 世界にひとりぼっちのように思えて とても淋しく 何かを 始めなければ。 ほんとうに 置いてけぼりのようで。だ…

Shamanistic singer Sainkho Namtchylak

サインホ・ナムチラク(Sainkho Namtchylak, born 1957)はトゥヴァ(Tuva, Тыва)出身の歌手。トゥヴァに古来から伝わるシャーマニスティックな唱法(「喉歌」)が印象的。自然のサウンドトラックのような歌声。

Astor Piazzolla, Invierno Porteño

人生に吹く風

消え行く旋律に耳を澄ますジェラルド・グローマー

宮成照子編『瞽女の記憶』(桂書房、1998年) 宮成照子とジェラルド・グローマー(Gerald Groemer) 前書(『越中瞽女と母の在世ご利益』を指す)を世に出したことでたくさんの方とまた新たに出会うことができました。今度の本の中に転載を許していただいた…

幸せは花びらの中の一粒の朝露のよう

A Felicidade - Antônio Carlos Jobim and Vinícius de Moraes, October 18 in 1978 in Milan, Italy A felicidade é como a gota de orvalho Numa pétala de flor アー/フェリシダーヂ/コム/ア/ゴータ ヂ/オッバリュ/ヌマー/ペータラ/ヂ/フローッ …

ホオズキ

ホオズキ(酸漿/鬼灯, Chinese lantern plant, Physalis alkekengi)とハンノキ(榛の木, Japanese alder, Alnus japonica) 拾って来た去年のホオズキの実。種子が入っている。手に持って鈴のように振ると、かさかさという擦れる小さな音とともに、手に心地…

ジャスミンの香り立つ美しい夕べ

昨夕開催された新入留学生歓迎会のために、私のゼミ生である上海からの留学生、胡さん、范さんを通じて親友の梁さんに二胡の演奏を依頼してあった。大勢の留学生が歓談するややノイジーな舞台空間で、梁さんは歓迎の夕べにふさわしい二曲を披露してくれた。…

歌の誕生:メカスの日記から

哲学者や思想家は自分が築いた論理を整然と組み立てて、新しい考え方を打ち出そうとしています。でも詩人というのは、自分が蓄積してきた知識や論理に邪魔されちゃうこともある。そこから外れたり離れたりした方がいいの。頭が冴えてきっちり動いていると詩…

Jeremy Steig with Bill Evans, like Orpheus

ジェレミー・スタイグ(Jeremy Steig, born September 23, 1942) Bill Evans with Jeremy Steig - Spartacus Love Theme 参照 This is Jeremy Steig

ルチア・ドルゴスツェウスキ1998年1月

Jonas Mekas' Diary, March 18 プリペアド・ピアノ(prepared piano)曲の驚くべき一例。今は亡き、想像力溢れるポーランド系アメリカ人の作曲家ルチア・ドルゴスツェウスキ(Lucia Długoszewski, June 16, 1931 – April 11, 2000)の最後の演奏のひとつ。曲…

オルフェウスのように like Orpheus

昨夜久しぶりにフルートを吹いた。ところが、まともに音も出せなくなっていてちょっとショックだった。しかし、ソローさんの次のような言葉にいたく励まされた。 asin:4880593540 本書は最近出た初の日本語全訳です。立派な本です。 オルフェウスは自分の竪…

風の靴を履いた男

asin:4047913243 1986年の夏にブルース・チャトウィンは「奇病」*1に苦しみ、死を覚悟して、『ソングライン』(asin:4862760481)を完成させた。その後一時的に回復の兆しを見せたが、1989年1月18日に亡くなった。その間、彼は遺作となった本の編纂を自らの…

Maria Bethânia - Âmbar

Maria Bethânia - Âmbar, 4:38 マリア・ベターニア(Maria Bethânia, 1946年生まれ)はブラジル出身の女性歌手でカエターノ・ヴェローゾ (Caetano Veloso, 1942年生まれ)の妹。‘Âmbar’はポルトガル語で「琥珀」という意味。 参照 Maria Bethânia Official …

ミュージック・ワイア、AU-D607G Extra(Sansui, 1983)

asin:4167564033 辺見庸『赤い橋の下のぬるい水』(文春文庫、1996年)には表題作の他にベトナムを舞台に娼婦たちと闇の中を疾走する「ナイト・キャラバン」と家族の日常をテーマにした「ミュージック・ワイア」の二作品が収められている。「ミュージック・…

I fall in love too easily

ジャズ・シンガーのヒロミさんは言った。「歌には感情を込めてはいけない。できるだけ空虚に歌うこと。感情を込めるのはオーディエンスなのだから」なんて難しいことだと思いながら、チェット・ベイカーの歌を思い出していた。 Chet Baker - I fall in love …

キューバの爺、かっこいい

Cuba Feliz - Besame Mucho, 1:41

馬鹿なオレ

今日一日の気分。馬鹿なオレ。 Bill Evans-My Foolish Heart, 4:39 どちらかと言えば、こっちの方が好き。この猫背といい、この魂の入り具合といい、グッと来る。 Bill Evans Trio - My Foolish Heart('64), 4:40 南無さん(id:namgen)は金沢でビル・エヴァ…

女と男

お糸さんとお国さんの一緒の寝床に高下駄のような感じの箱枕がちゃんと二ツならんで、お糸さんの赤い長襦袢が、蒲団の上に投げ出されてあった。私はまるで男のような気持ちで、その赤い長襦袢をいつまでも見ていた。しまい湯をつかっている二人の若い女は笑…

Manhã de Carnaval

Luiz Bonfá & Elizete Cardoso - Manhã de Carnaval 「カーニバルの朝」(Manhã de Carnaval)はマルセル・カミュ監督の映画『黒いオルフェ』(Orfeu Negro, 1959)で使われたルイス・ボンファ(1922–2001)作曲のボサノバの代表曲。老境にさしかかったルイ…

無理な注文

盲目の歌手が歌う盲目の愛の歌。お天道様に天からいなくなれというのは無理な注文、赤ん坊に泣くなというのも無理な注文、と来て、君を好きになるなというのも無理な注文。自然、人間、そして愛と来て、そんな無理な注文をおおらかに歌い上げた名曲。「過激…

We're Going Wrong

うろうろしていて、老いたジャック・ブルース(1943–)、66歳? がギターではなくピアノを弾きながら歌うあの "We're Going Wrong"に再会した。"not are we're"と言って笑いながら、60歳過ぎてこんな風に歌えるようになるなんて、なんてかっこいいんだ。爺の…

石川さゆりと古田りんずのデュオ

乾杯! ウイスキーがお好きでしょ 石川さゆり 2000年 Ishikawa Sayuri, 2:59 ピアノの古田りんずさん、いいでしょ。

嫌悪から受容へ:孤独とエゴとの間の隘路

終わりなき闇 チェット・ベイカーのすべて作者: ジェイムズ・ギャビン,鈴木玲子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/01/13メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見るDeep in a Dream: The Long Night of Chet Baker作者: Jame…

悪魔の囁き

Chet Baker - I'm a Fool To Want You, Stuttgart 1986. チェット・ベイカーの歌声とトランペットの音をどう形容していいのか。ずっと考えるともなく考えていて、やっぱり、「悪魔の囁き」だと想い至った。究極の「優しさ」を演じる「悪魔の囁き」。そのため…

I get along without you very well

雨の午後、チェット・ベイカーを偲ぶ。今、一番心にしみる歌を何度も聴きながら。ちょっと悪戯もして。若きチェット(http://www.youtube.com/watch?v=IgbPHTBiAVQ)と死ぬ直前のチェット(asin:B00028HO3Q)のデュエット。叱られそう、、。 I get along wit…

老犬

Chet Baker: "The Old Dog" 「闇の底からわきあがってくるその声は、うたがいもなく腐りきった肉体の芯をみなもととし、ただれた臓器をふるわせ、無為の心と重奏してうねり、錆びた血管をへめぐり、安物の入れ歯のすき間をぬけて、よろよろと私の耳にたっし…