2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

オリエンタリズム

asin:4582760112, asin:4582760120 先日、東京にいる娘から父の日のプレゼントと一緒にサイードの『オリエンタリズム』上下巻本が送られてきた。大学の講義の教科書に指定されて買ったものの(合計3000円を超える)、ほとんど讀まずに今後も讀まないけど、棄…

ヤマボウシ、オオヤマレンゲ、シロヤマブキ、ハコネウツギ

札幌、雨上がりの朝、空気は湿って重たい。昨夜の雨でニセアカシアの白い花がかなり散った。 遠くからでも眼に飛び込んで来る十字形の、手裏剣を連想させる、ヤマボウシ (山法師, Japanese strawberry tree, Cornus kousa)の花。 いつもの道を外れた。へー…

いざ北へ2008その4 一穗(いっすい)も招くよ

asin:B000J8G8YK 積丹半島の古平を故郷に持つ吉田一穗(よしだいっすい, 1898–1973)というとびっきり「変な」(魅力的な)詩人がいたのをご存知でしょうか。どれくらい「変」だったかはまずはこの人の話を聞くのがいいでしょう。流石に配慮が行き届きかつ要…

ノビネチドリ、梅の果実

札幌、薄曇り。湿度が高く空気が重たかった(案の定、夕方から雨になった)。 今まで何度かハクサンチドリとして記録してきたこの植物は、同じラン科(Orchidaceae)のノビネチドリ(延根千鳥, Gymnadenia camtschatica (Cham.) Miyabe et Kudo)であること…

あなたに本を愛しているとは言わせない

本との付き合い方は様々だ。好きな作家のあまり好きではない本もあるし、好きな作家の好きな本の中で一番好きなのが作家本人の言葉ではなく、表紙に採用されたある画家の絵だったり、別の作家の言葉の引用だったりすることもある。その絵や引用を確かめるだ…

風通しのいい孤独

asin:477380100X レイナルド・アレナス(Reynaldo Arenas, 1943–1990)は生まれ育った故国キューバでの弾圧を逃れて、米国に亡命した。しかしそこはすべてが金次第の歴史も魂もない国であると思い知らされた彼は、そんな国で魂を売り渡さずに生きるにあたっ…

ミヤマダイコンソウだった

先日これを見知らぬ緑色の花と記録した。 ところが、実はこのような黄色の花が散った後の萼と蕊であった。んーん、植物を見る眼はまだまだ未熟だ!この写真は以前ヤグルマギクを教えて下さった江別市在住のアーティストGさんがメールに添付して送ってくださ…

ウスユキマンネングサ、そしてボケの実だった

札幌、晴れ。藻岩山が心持ち遠くに見えた。 とある空き地に、一昨日記録したツルマンネングサ(蔓万年草, Sedum sarmentosum)に似た小さな白い花を見かけた。同じベンケイソウ科のウスユキマンネングサ(薄雪万年草, Spanish stone crop, Sedum hispanicum…

オニグルミ、トチノキ、プラタナス、「光の道」

札幌、曇り。無風。気温少し上がる。昨日に続き藻岩山の頂上は雲に隠れていた(→ Mt. Moiwa, June 17th, 2008)。今朝は野鳥たちのさえずりは聴こえなかった。そのかわり、あちらこちらでカラスたちの合図の声がやかましかった。そうか、今日は生ゴミの日だ…

スランプ感

最近調子が悪い。風邪は治ったが、調子が悪い。しかし、待てよ、俺、調子がいい、と感じたことって、あったっけ?改めてよく思い出してみたら、不調感、スランプ感が常態のような気がした。その時々に自分が関わっている仕事がクローズアップされすぎると、…

10年前のシャープペンシル

シャープペンを使うことはめったにない。最近は買ったこともない。でも、10年くらい前に買って、とても気に入って今でも大切にとってあるシャープペン、PentelのSHARPLET 300を時々取り出しては、白紙に意味もない螺旋や直線を描いたりする。全体のすっきり…

姿の見えない小鳥たちの囀り

今朝の散歩では、雨上がりの原生林から数種の野鳥の囀りが聴こえた。大気が湿っていたせいかよく反響していた。こんなによく聴こえたのは久しぶりだった。葉の茂みに隠れて姿は見えなかった。 Watch(the sound of little birds twittering, 12sec.)

ツルマンネングサ、オダマキの黒い花

札幌、雨のち曇り。 しばらく前から道端に苔のようにも見える肉厚の明るい緑のちっちゃな葉が広がっていた。今朝そこに黄色い小さな花が開いていた。ツルマンネングサ(蔓万年草, Sedum sarmentosum)のようだ。 サクランボ(cherry)が色づいてきた。美味そ…

エゾノシモツケソウ、ハクサンチドリ、ジャーマンカモマイル、セージ、トウグミ

エゾノシモツケソウ(蝦夷下野草, Filipendula yezoensis)が咲き始めた。 Hさん宅の庭では花の終わったハクサンチドリ(白山千鳥, Orchis aristata)が黒い果実をたくさんつけていた。しゃがみ込んで失礼して撮影していたら、すっかり顔馴染みになった若い…

野茨

札幌、晴れ。乾燥したちょっと冷たい風が心地よい。散歩の帰り道のほぼ中間地点に立派な高い塀に囲まれた豪邸がある。いつも塀に沿った歩道を左半身に威圧感を感じながら歩く。その塀が途切れたちょうどそのとき、左手の空き地の方から、風に乗って淡い甘い…

実験映像

とは言っても、ほんとに他愛のない、しょぼいものなので、どうか見ないで下さい。これは私の密かな楽しみの記録でしかありません。それじゃあ、なぜ公開するのかと、あたなは疑問に思うでしょうが、それはやっぱり誰かには見てもらいたいというスケベ心があ…

『PM』(1961)

ジュリアン・シュナーベル監督の映画『夜になるまえに』(2000)の日本版DVD(asin:B000N4RAU6)には、特典映像として非常に印象深いドキュメンタリー『PM』(1961)全篇が収録されている。これは本編『夜になるまえに』でもエンドクレジットの背景として…

ボールペン

TOMBOWのJ-Ball 80という100円のボールペンが気に入っていた。黒がなくなって、文房具店に買いに行った。100円台のボールペンの棚を隅から隅まで探したがなかった。そもそもトンボの製品がなかった。どうしたのだろう。仕方なく、ほとんど全てのボールペンの…

ハマナス、クレマチス、オダマキ、チャイブ

今朝、エゾノコリンゴ剪定のショックを受ける前に目に留まり撮影した植物たち。 ああ、ハマナス(浜茄子/浜梨, Rugosa rose/Japanese rose, Rosa rugosa Thunb.)の花が咲いていた。 薄紫の大きなクレマチス(Clematis, Clematis hybrida)。花弁のように見…

無理に鼻歌なんか歌いながら

朝日新聞朝刊の小さなコラムが目に留まった。脳梗塞で声を失い、右半身不随となった免疫学者の多田富雄さんが、人間的絆が断ち切られ、弱者切り捨て傾向(小泉政権下で拍車がかかった)がますます強まっている日本社会の現状に警鐘を鳴らしていた。それはあ…

悲しい報告

札幌、晴れ。風強し。今朝の散歩ではショックなことがあった。体調もほぼ回復して、久しぶりにタンポポ公園のある通りに出た。しばらく見ないうちに楽しい変化が随所で見られた。ところが私にとっては重要スポットのひとつであるタンポポ公園に近づいたら、…

直截に語ることの落とし穴

理解されることのみならず、読まれることさえ当たり前とは思わずに、孤独に差し出される文章。何ごとかを伝えたい人にそれをどう語ったとしても、所詮は巧くは伝わらないかもしれないということまで考えながら、畢竟他人である相手との間の隔たりの大きさ、…

嗅覚の指向性

マジックでも明らかなように、感覚の中で一番人を欺くのは視覚だけど、さて一番正確な感覚は何かなと考えていた。嗅覚かな、いや、嗅覚はすぐに麻痺するから違うよな。触覚かな、そうかもしれないな。聴覚はどうだろう? ......もちろん、諸感覚は混じり合っ…

ノラニンジン、ヘラオオバコ、バイカウツギ

道端などに逞しく繁殖するいわゆる雑草が好きだ。こんな「雑草」の定義がある。 雑草(ざっそう)とは、人間の生活範囲に、人間の意図に反して繁殖する植物のことである。 (雑草 - Wikipedia) 「人間の意図に反して繁殖する」。いいねえ。 昨年から注目し…

ニセアカシアの甘い香りを目で...

札幌、一転して雨のち曇り。朝はちょっと寒かった。今、札幌の街ではニセアカシア(針槐, Locust tree, Robinia pseudoacacia)が花盛りで、街全体がその甘い香りに包まれている(ちょっと大げさ)。通勤途中、信号待ちしているときに、窓を開けたら、その甘…

ニセアカシアの花

札幌、快晴。大気も澄んで爽やか。藻岩山がすっきりはっきり見えた(→ Mt. Moiwa, June 12th, 2008)。 道端のハナダイコン(別名ムラサキハナナ)で小型のカメムシが性のモードに入っていた。 原生林のオニグルミと街路樹のナナカマドが通りの上に張り出し…

アレクサンドリア・ルネサンス

情報文化論受講生のみなさん、前々回お話した古代のアレクサンドリア図書館に関連して、坂ちゃんこと坂東さんがインターネット上の最先端の知的動向の一環について興味深いことを書いているから読んでみてとアナウンスしたのを覚えていますか。これです。 新…

土の味、水の匂い

夜になるまえに―ある亡命者の回想 (文学の冒険シリーズ)作者: レイナルドアレナス,Reinaldo Arenas,安藤哲行出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 1997/05/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (8件) を見るぼくは二歳だった。裸…

SJCのみなさーん

SJC(http://d.hatena.ne.jp/Emmaus/20080607/1212783954)のみなさん、下川さん(id:Emmaus)、小野さん(id:sap0220)、金城さん(id:simpleA)、吉岡さん(id:future-human)、佐上さん(id:rairakku6)、中山さん(id:taknakayama)さん、山崎さん(id:cae…

プラタナス、ムシトリナデシコ

札幌、晴れ。今日も暑かった。 ヤマバト公園のプラタナス(鈴懸の木, Platanus, Platanus orientalis)たちにもようやく若葉が。 トウモロコシたちは順調に育っている。丈30センチくらい。 繊細な造形と色合いだ。ムシトリナデシコ(虫取撫子, Garden catchf…