2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

raindrops

風のフリュート、涙の扉

風のフリュート (集英社文庫) ジャンパーのポケットに藤原新也の『風のフリュート』(集英社文庫)を入れて皮膚科に向かった。二週間ぶりだった。待合室で診察を待つ三十分ほどの間、身が引き締まるのを感じていた。荒涼として、凍てつく風が吹きすさび、ま…

マリオ・ジャコメッリの「静物 06」と「人生 13」

Nature Morte 06(Mario Giacomelli Official Web Site) 辺見庸『私とマリオ・ジャコメッリ』(NHK出版、2009年、asin:414081375X)では、モノクロームに格別の思い入れのある辺見庸がジャコメッリのモノクローム写真の白黒世界の意義を深く掘り下げている。…

マサオ君のブログの思想2

シナリオ構造論 (宝文館叢書) 今マサオ君はゼミ最終回の準備というか趣味で小津映画のシナリオに深く関わったことでも知られる脚本家の野田高梧が書いた『シナリオ構造論』(1952)の「葛藤」から「危機」そして「クライマックス」にかけての劇的局面の構成…

七段花、大山蓮華、擬宝珠

シチダンカ(七段花, Hydrangea serrata f. prolifera) オオヤマレンゲ(大山蓮華, Magnolia sieboldii)の果実 オオヤマレンゲ(大山蓮華, Magnolia sieboldii)の花がまだ咲いている。 ギボウシ(擬宝珠, Plantain lily, Hosta)の花がもう咲いていた。

鬼薊五変化

道端のアメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊, Bull thistle or Scottish thistle, Cirsium vulgare Tenore)の同株の蕾がつぎつぎと開花している。今朝、四、五番目が開花した。 最初に開いた花は枯れた。 二番目はもうしぼみかけている。 三番目は満開。 四番…

三毛猫

タチアオイ(立葵, Hollyhock, Althaea rosea) ツキヌキニンドウ(突抜忍冬, Coral honeysuckle, Lonicera sempervirens) アジサイ(紫陽花, Hydrangea, Hydrangea macrophylla form. macrophylla) シロヤマブキ(白山吹, Jetbead/Jet-bead, Rhodotypos s…

九蓋草、大山蓮華の果実、栗の花、七段花、房酸塊の果実

クガイソウ(九蓋草, Culver's root, Veronicastrum sibiricum)。 オオヤマレンゲ(大山蓮華, Magnolia sieboldii)の果実 クリ(栗, Japanese Chestnut, Castanea crenata)の花 シチダンカ(七段花, Hydrangea serrata f. prolifera)。「幻のアジサイ」…

マサオ君の散歩の裏側

The First Person Singular (Studies in Phenomenolgy and Existential Philosophy) ナイジェリアの男は素敵だなあ、、(これはホントに哲学者アルフォンソ・リンギスの本。) A Thousand Rooms of Dream and Fear 死んだ男の語りにぞくぞくするなあ、、(邦…

Erika-San

Erika-San アレン・セイの最新の絵本 Erika-San(2009)は、それまでの絵本とは視点を180度転換して、日系人ではない、アメリカ人の女性が、幼い頃おばあさんの家で見た日本の田舎の家の写真に深く魅せられて以来、日本に興味を持ち、日本語を勉強し続け、大…

大雨

雨ですっかり萎(しぼ)んだ二番目に開花したアメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊, Bull thistle or Scottish thistle, Cirsium vulgare Tenore) 枯れて行く最初に開花したアメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊, Bull thistle or Scottish thistle, Cirsium vulg…

マサオ君のブログの思想

Mario Giacomelli: L'Evocazione Dell'Ombra/Evoking Shadow (Parole Di Charta)いいなあ、マリオ・ジャコメッリ、、 マサオ君本人は仕事の合間にブログを書いていると思っていますが、ブログの合間に仕事とやらをやっている、しかもその仕事とやらがどうも…

二番目に開花したアメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊, Bull thistle or Scottish thistle, Cirsium vulgare Tenore) 同。横から。先客あり。 最初に開花したアメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊, Bull thistle or Scottish thistle, Cirsium vulgare Tenore) …

E未亡人との会話

いつものように、サフラン公園入口のシナノキの下をくぐって、東屋で一休みしようと思っていたら、なつかしい先客がいた。ただ者ではないと常々感じていたE夫人だ。町内をかなりのスピードで駆け巡り、サフラン公園の東屋で一休みするのが彼女の日課だった…

Fragile!

「ドルーワルサマトモジフ」。右から読んで下さい。「フジモトマサルワールド」。残念ながら、回文ではありませんが、言葉というものは暗黙のルールからちょっと外れるとチンプンカンプン、トンチンカンになるんですね。ということは、逆に考えると、言葉の…

マサオ君の散歩の思想

マサオ君の庭の思想(http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20090705/p4)はお察しのとおり、散歩の思想と切り離せない。しかも両者は相補って壮大な世界観をなすというのが彼のもっぱらの口癖である。誰も、特に家族は、彼の言葉に耳を傾けようとしないが、、…

マサオ君の散歩の思想2

前エントリーの内容がすこぶる分かりにくいという声に応えて、もう少しだけマサオ君にその散歩の極意なるものを語ってもらった。以下はその概要である。例えば、今朝は、噂通り、彼は寝坊したために散歩という至福の時間を逃した。しかし、すでに散歩依存症…

カタツムリとの対話

玄関先にカタツムリ(未同定)がいた。今年もカタツムリの季節がやってきた。昨年の今頃はミスジマイマイをよく見かけた。無駄とは知りつつ、対話を試みる。何か感じたのか、眼のある長い方の触覚をこちら向けたが、すぐに真っすぐ前を向いて移動し始めた。…

坂口恭平の「巣」の思想

坂口恭平『TOKYO一坪遺産』(春秋社、2009年6月) 私がもっとも注目する建築家の一人である坂口恭平さんが『0円ハウス』(asin:4479391673, asin:4898151175, asin:4899980884)に続いて、独創的な視点からの斬新な調査結果に基づいた新たな建築ルポルター…

「佐藤錦も知らんのかい」

オステオスペルマム(アフリカ金盞花, African daisy or Cape Daisy, Osteospermum ecklonis) ペレニアル・フラックス (亜麻, Perenial Flax, Linum perenne.L.) 未詳1 未詳2 「立派なサクランボですね」「佐藤錦だ」「え?」「佐藤錦も知らんのかい」…

JさんとOさんとの会話

果樹園みたいな広い庭を構える年配のJさんには今朝初めて会った。以前からその庭の前を通るたびに町内ではめずらしく通りに枝を長く伸ばしたサクランボの樹がイイなあと感じてよく写真を撮っていた。佐藤錦ブランドのサクランボの実を目の前で樹からもいで…

くもり

アメリカオニザミ(亜米利加鬼薊, Bull thistle or Scottish thistle, Cirsium vulgare Tenore) ヤマグワ(山桑, Mulberry, Morus bombycis) ヒイラギ(柊/疼木, Holly Olive, Osmanthus heterophyllus) ヒメカンゾウ(姫萱草, Orange Daylily, Hemerocal…

Stranger in the Mirror

Stranger in the Mirror アレン・セイの絵本はすべて「家族」の本質を問わずにはいられない彼の自伝的な要素に彩られていると感じる。それにしても、Stranger in the Mirror(1995年)は強烈な印象を残す絵本である。絵本という形をとっているが、それはわれ…

晴れ

アメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊, Bull thistle/Scottish thistle, Cirsium vulgare Tenore) タチアオイ(立葵, Hollyhock, Althaea rosea) シロヤナギ(白柳, Salix jessoensis)か ヤマブドウ(山葡萄, Crimson glory vine, Vitis coignetiae) 倉庫 …

スマートな地図

新聞連載小説『聖なる怠け者の冒険』(森見登美彦作/フジモトマサル画)は次々と私の関心の壺を刺激する。話の展開からして当然と言えば当然なのだが、「第一章 仮面の男 23」では、とうとうフジモトマモルさんによる挿絵は地図になった。ちょっとびっくり…

カンナワ(鉄輪)

故郷(home)って不思議だ。そこから離れたくなかった、そこに帰りたい、帰るべきだとも感じるが、それが永遠に叶わない、そんな感じの場所。しかも故郷がそれとして強く意識されるようになるのは、すでに「そこ」を離れて他所で生活し苦労している場合だろ…

マサオ君の庭の思想

不遜にもマサオ君は朝の散歩でめぐる町内を自分の庭であるかのごとくに振る舞っている。その態度を快く思わない住人たちがいても彼はまったく気にかける様子もない。毎朝、それが自分が植えた草や樹であるかのごとく、あるいは自分が飼っている犬猫鳥虫、、…

天気くもり、写真146枚/時

顔見知りのお爺さんから「寂しいねえ」と声をかけられた。「いるものがいないと寂しいねえ」「はい」

グミの味

アジサイ(紫陽花, Hydrangea, Hydrangea macrophylla form. macrophylla)が開花し始めた コハコベ(小繁縷、Common chickweed, Stellaria media) キキョウ(桔梗, Balloon flower, Platycodon grandiflorum) ナツシロギク(夏白菊, Feverfew, Chrysanthe…