2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

殺風景

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校庭の白樺の巣箱

……足のほうが上半身を引っ張って、歩き慣れた道をぐいぐい進んで行く。足は散歩したがる犬、頭はそうでもない飼い主みたいなもので、もう引っ張られるにまかせるしかない。(辺見庸「風景連鎖」、『美と破局』 asin:4620318000 191頁) 腑に落ちる。

雪だるまの神話、誕生か

エゾノコリンゴの樹のツララ エゾイタヤの樹の幹に沿ってできた太く長い氷、何て呼べばいいのか、とりあえず、ツララ。 サフラン公園の雪だるま2号の頭が転げ落ちていた。誰の何の仕業か^^ 頭を元にもどしておいた。両手で抱えて持ち上げようとしたが、最初…

ヤマの写真家・山口勲の「戦場」

山口勲写真集『ボタ山のあるぼくの町』(海鳥社、2006年) asin:4874155731 118頁〜119頁 山口勲写真集『ボタ山のあるぼくの町』(海鳥社、2006年)は、ヤマで生まれ、ヤマで育ち、ヤマで働き、ヤマを撮り続けたヤマの写真家「イサオちゃん」こと山口勲さん…

シメ、アオサギ、ヒヨドリ、アカゲラ

ツララ 遠くの電線にシメ(蝋嘴、Hawfinch, Coccothraustes coccothraustes)らしき姿を見かける。 上空をサギらしき大型の鳥が北に向かって飛び去った。アオサギ(蒼鷺, Grey Heron, Ardea cinerea) か。 馴染みのヒヨドリ(鵯, Brown-eared Bulbul, Hypsip…

山口勲写真集『ボタ山のあるぼくの町』

asin:4000221728 地の底の闇をわれらの生の砦に、闇こそわれらの生の行く末を照らす光に……。(姜信子『イリオモテ』岩波書店、2009年、8頁) 姜信子さんは、九州筑豊の旧炭鉱町の古書店で、「イムジン河」に込められたそんな祈りに出会った。そしてそんな苦…

西戸崎詩歌集

id:tanikさんが「詩歌集リンク」を作られた。 西戸 崎(saito misaki)詩歌集 腹の座った「ロッカー」らしいストレートな言葉の数々。例えば、「病み上がりのロッカー」 俺はロッカー 自称ロッカー 何でもいいじゃないかロッカー 最近ちょっと身体にメスが入…

かまくら

雪の路面がテカテカツルツルで、三回足をとられ、オットットット、オットットット、オットットットと、転びそうになった。傍目には奇妙な踊りに見えたかも知れない。 氷花。今朝はカラスとスズメの他には鳥には出会わなかった。 「かまくら」1。 「かまくら…

七草の日に

はからずも、今日、七草の日に、昨年暮れにお邪魔してお世話になった、山口県は周防大島の南に一粒の涙のように浮ぶ沖家室島で民宿「鯛の里」を営む松本昭司さんと、毎年豪雪に見舞われる富山に根を下ろして生きる南無さんから、ほぼ同時にブログ便りがあっ…

曲がり角

行き止まりだと思っていつも引き返していた道の曲がり角の向こうに広がる風景をあのときこの目で見てしまった。 沖家室島で民宿「鯛の里」を営む松本昭司さんが、私との路上生活者談義にも触れながら、人生の「ギアチェンジ」について書いている。 最近、ギ…

「人生に重要なことなどなにもありはしない」か

先日、南無さん(id:namgen)から、苦痛と絶望に打ちひしがれて死の床にあった老人の最期を看取ったときの話を聞いた。老人は己の罪過の故、「地獄」行きを覚悟していたという。それでも「死んだらどうなるんだ。やっぱり地獄行きか」と老人は微かな希望を手…

深山懸巣、氷花

渡り鳥を見たいなあと思いながら歩いていたら、七、八羽の野鳥の小群が頭上を掠め原生林から住宅街の方に飛び去った。そのうちの二羽が民家の庭木にとまった。と思ったら、再び、原生林に舞い戻った。曇り空の下、しかも距離があって特徴、特に色を識別する…

生き延びる理由

asin:4043417012 記憶というものを、私たちはなめてかかっていると思う。五十年前とは、かなり多くの人びとにとって、昨日なのだ。(辺見庸「ある日あの記憶を殺しに」、『もの食う人びと』角川文庫、1994年、335頁) 人生が特異な時間の経過であり、掛け替…

犬のふぐりのような玉飾り

これは我が家の注連飾り(玉飾り)代わり。昨年風太郎が死んだので、派手な注連飾り(玉飾り)はなんとなく避けて、散歩で拾って来たプラタナス(紅葉葉鈴懸の木, London plane or Sycamore, Platanus acerifolia)の実と枯れたオオウバユリ(大姥百合, Gian…

ミュージック・ワイア、AU-D607G Extra(Sansui, 1983)

asin:4167564033 辺見庸『赤い橋の下のぬるい水』(文春文庫、1996年)には表題作の他にベトナムを舞台に娼婦たちと闇の中を疾走する「ナイト・キャラバン」と家族の日常をテーマにした「ミュージック・ワイア」の二作品が収められている。「ミュージック・…

月で樹を伐る者たちの、寝物語(sweet nothings)

寝物語 (男女が)寝ながら話すこと。また,その話。(『大辞林』より) 寝物語 a conversation in bed between husband and wife [between lovers]; 《口語》 pillow talk; 〈睦言(むつごと)〉 sweet nothings.(『新英和・和英中辞典』より) asin:4043417…

檳榔

どんな種類の物語でも、植物の名前が登場するとひっかかる悪い癖がある。そこで、作者の意図したストーリー展開や様々な水準の意味作用から逸脱して、いわば意味の陥没地帯を彷徨ったり、そこで宙づり状態になってしまう。それが読書の密かな愉しみでもある…

雲と氷柱

ふと目にとまった玉飾り シラカバ(白樺, Japanese White Birch, Betula platyphylla var. japonica) 原生林 ヒヨドリ(鵯, Brown-eared Bulbul, Hypsipetes amaurotis)。目の前の木に飛来した。最近、よくある。ヒヨドリを引きつける力が身についてきたの…

Let's get astray

かつてチェット・ベイカーが限りなく軽快に演奏し、限りなく虚ろに歌ったレッツ・ゲット・ロスト(Let's get lost)のニュアンスに近いレッツ・ゲット・アストレイ(Let's get astray)。アストレイ(astray)はストレイ(stray)の派生語。ストレイと言えば…

千歳、午後4時

汽水(Brackish water)

水の世界には見えない境界があり、その境界域は汽水域と呼ばれ、海水と淡水が混じり合った汽水(Brackish water)という不思議な水、「幻の水」が存在する。そこでは浸透圧の激しい変化に適応したボラやヒメツバメウオのような汽水魚しか生き延びることはで…

a happy new year from a Ferris wheel

子供の頃からなぜか観覧車に惹かれる。今でも観覧車が視界に入ると目が離せなくなり、何とも言えないイイ気持ちになる。陶酔する。乗れるものなら、いつでも乗りたいが、たいがい乗れない理由があって、今までずいぶん乗り損なってきた。数年前、横浜みなと…

カモメとサーファー

大晦日の夕方、イタンキ漁港(「イタンキ漁港 - 室蘭海上保安部 MICS」)とイタンキ浜(「イタンキ浜 - Wikipedia」)を見に行った。近くまで車で行って、ちょっと散歩した。暴風に煽られ、何度もよろめいた。気温は氷点下ではなかったが、冷たい風に体温が…