2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

献花の一輪が今朝落ちた

時の流れは不思議で、抵抗なく振り返ることができる時もあれば、まったく振り返る気になれない時もある。そして無理矢理振り返った時に見える過去の景色はピンぼけだったり歪んでいたりした。最近になって、あまり無理せずに少しずつ振り返ることができるよ…

ありふれた会話

久しぶりにUさんに会う。遠くから笑顔で声をかけられた。散歩で会うたびに風太郎をめちゃめちゃ可愛がってくれたUさん。最後に会ったのは風太郎がオムツ生活を始めて数日経った頃だった。「そうかあ...」と言ってこちらが恐縮してしまうほど悲しい表情にな…

夢の足音

詩は宛先のない手紙なのかもしれない。誰にいつどうやって届くか分からない手紙。それはもしかしたら未来や過去の自分に宛てられているのかもしれない。昨年暮れに東向島あたりを一緒に歩いた(濹東巡礼報告1)「詩人」大和田海さんが、風太郎を悼む詩=手…

カラス二羽、水たまり

そのときは何に惹かれたのか分からないままシャッターを切ることが多い。後で写真を見てから、二羽のカラスの間の距離感だとか、水たまりに映っていた樹々だったのかなどと気づいて、我ながらハッとすることがある。札幌は昨日から気温が上がり、一晩中雨が…

つかの間、鳥になる

部屋の窓からトヨタ・ビッグ・エアー(TOYOTA BIG AIR 2009 公式サイト)の滑走台の照明が見える。競技のことは詳しくは知らない。見かけは非常に派手なイベント仕立ての競技大会で、地味なスキーのジャンプ競技大会とはイメージがかけ離れているが、選手た…

語りの作法

悼む人作者: 天童荒太出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11/30メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 104回この商品を含むブログ (171件) を見る天童荒太『悼む人』では、見知らぬ他人が死んだ場所を次から次へと訪れては独自のやりかたで「悼む」旅を続…

悼む

悼む人作者: 天童荒太出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11/30メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 104回この商品を含むブログ (171件) を見る毎朝起きるといつものように風太郎の部屋を覗く。ああ、もういないんだった、と自分でも意外なほどあっけら…

シメ

お気に入りのシメ(蝋嘴、Hawfinch, Coccothraustes coccothraustes)が電線にとまっていた。ほぼ真下から見上げた。眼球までこんなにはっきりと写っているとは思わなかった。この後、彼/彼女はあるお宅の庭奥にあるエゾノコリンゴの樹に飛び移った。そこに…

アトリ

タンポポ公園で珍しい客に出逢った。見覚えがあるようなないようなスズメ大の二羽の野鳥。もう残り少ないエゾノコリンゴの果実を探しているようだった。距離があったので、目一杯ズームして撮影したが、まともな写真は撮れなかった。それでも、だいだいの特…

共感と祈り

今朝も藻岩神社にお参りした。珍しく先客がいた。社殿に上る階段の下で待った。黒いコートに身を包んだ年配のご婦人だった。ずいぶん長い時間やや俯いて手を合わせていた。何を祈っているのだろうと詮無いことを思った。待たせたと思われないように、堆く積…

別れのレッスン

親子。 カズマと私がどっちが先に死ぬかという話をした時に、 カズマが先に死んだらどうしていいかわからないほどさみしくて困ると言ったら、 そういう時に元気が出るようにとカズマが歌を作ってくれました。 歌詞をメモしてくれました。 あひるの親子がふん…

一人の散歩のペースがつかめない

まだ一人の散歩のペースがつかめない。一人で散歩するようになってからは立ち止まる回数が減り、以前に比べてシャッターを切る回数も減った。やや早歩きになったような気もする。散歩の距離を二倍にのばした。一人で歩いていると町内の顔見知りの方々からは…

「手話で語られた愛……」

Mさんの「手話で語られた愛のように降る雨に濡れながら」を読みながら、数ヶ月前に偶然見た、冬は雪深い丹波で自給自足する男の数年の時を隔てて取材し編集されたドキュメンタリー番組のことを思い出していた。結婚とは縁遠い孤独で自由な自給自足生活の中…

キレンジャク

札幌、曇時々雪。藻岩山見えず(→ 写真)。藻岩神社にて「寂滅為楽」*1を百回唱えて、「みんな、とにかく、がんばれー!」と祈る。タンポポ公園で8羽のキレンジャク(黄連雀, Bohemian Waxwing, Bombycilla garrulus)の集団に出会う。みんなふっくらとした…

見えないつながり

書けないことがあるから書く。そして書くことと書かないことは紙一重のなかで書き続けるのだろう。 思い出したものが悲しみを連れてくるのではなく、いつでも、ふいに、悲しみが思い出を連れてくるのだ。 哀別の風景(『坂のある非風景』2008 / 02 / 18) 南…

嘘の倫理

今年もたくさん嘘をついていきたい。 二月のご挨拶(『平民新聞』2009-02-01) 風太郎が死んだ日に、heiminはこんな不謹慎なことを書いていた、と言いたい訳じゃない。敢えて「嘘」と書く、書き手としての最低限の倫理観のようなものをheiminは潔く正直に表…

ほっこりとした雪

札幌、晴れ。しばれる空気に光が踊り、眩しすぎてまともに目を開けていられない。こんな朝の雪の表情が好きだ。ふっくら、ほっこりとした雪。

1000日

いい区切りの日なのかもしれない。

銀座ミツバチプロジェクトの背景

朧げな記憶の中から、社民党本部の入っている社会文化会館の屋上で一所懸命にミツバチを飼うひとりの男の姿が浮かび上がって来た。あるテレビ番組を見たときの記憶である。一昨年だったろうか。 悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた「沈黙の…

平岡との再会

昨夜からやや湿った雪が降り続いている。今日は朝からすでに三回雪かきをした。体には結構キツいが一気に運動不足が解消されメタボ値が下がったようないい気分である。 一昨日のmmpoloさんに続いて、昨夜は、若い友人の平岡(takuo.. .)が東京から風太郎の…

think pessimistically act optimistically

もっとよく知り、もっと深く絶望する その後、坂本龍一さんとのやりとりは、イタリアの思想家アントニオ・グラムシ(Antonio Gramsci, 1891–1937)の名言の意味を改めて噛みしめることで一段落しました。 大局的には絶望的ですが、 坂本さんが実践なさってい…

5回目の雪かき

夕方まだ暗くなる前に雪が小降りになったのを見計らって今日5回目の雪かきをした。さすがに少々うんざりしながら。遠くの林からは強風が通り抜ける際に起こす音が巨大な生き物のうなり声か地鳴りのように響いて来る。思わずそちらの方に目をやる。時折強い…

かけがえのない死

誕生と同じように死もまたありふれたことだ、と言ったのは誰だったろうか。しかし、誕生を「出会い」、死を「別れ」というふうに、自分にとっての具体的な体験として読み替えた途端に、誕生も死もありふれたことだとは言えなくなる。そして永遠の別れとも言…

もっとよく知り、もっと深く絶望する

一昨日から昨日の夜にかけて降り続いた雪は我が家の周りでは50センチ以上積もりました。さっぽろ雪まつりを祝福するかのような大雪でした。昨夜はお仕事で札幌入りしたid:mmpoloさんとスープカレーを食べたり、炉端焼きでイカや氷下魚などをつまみながら、下…

足跡

今朝も藻岩神社にお参りした。信心とは無縁のすれっからしの自分が祈ってるぜ、と自分で自分が可笑しくなるも、手を合わせている内に、家族や知り合いの姿が次々と猛スピードで頭の中を巡り始め、一人一人にふさわしい言葉が追いつかなくなって、「とにかく…

喪失を深く胸に刻む

敬愛してやまぬリゴーニ・ステルンが永遠の旅に立った昨2008年は、私にとって喪失を深く胸に刻む年でありました。 いまは失ったものを嘆くのではなく、出会いの恵みに感謝しつつ、すぐれた先達の遺してくれたものを伝える仕事をこつこつと続けてゆきたい----…

お一人ですか?

札幌、晴れ。氷点下2、3℃だろうか、頬が少し引き締まる寒さ。風太郎の部屋まで猫の足跡が続いていた。いないのを確認して引き返したようだ。先日宙に浮くツララがあった同じ場所に新しいツララができていた。これもそのうち宙に浮くのだろうか。玄関先の雪…

100個の星のメッセージ

坂東さん(id:keitabando)が風太郎のお悔やみになんと100個の星を贈ってくれた。 http://f.hatena.ne.jp/elmikamino/20090202210305 彼らしい桁外れに大きな哀悼のメッセージが届いた。彼には昨年の夏に我が家で風太郎に引っ掻かれたという懐かしくも痛い思…

現代の塵劫記を

塵劫記 (岩波文庫) 「山内数学教室」を勝手にPRした縁で、山内先生から「昔、古本屋で手に入れた」という岩波文庫版(1977年)の『塵劫記』(底本は寛永20年、1643年版)を譲り受けることになった。 数学の力をつけたい人のための学習相談室(2009年01月13日…

雪かき

当たり前のように もう必要のないはずの場所の雪かきをした私は思い出を振り払い 今起こっていることに注意を集中しようとしたが 無駄だった「会ったこともない犬の死がどうしてこんなに悲しいのか」 「飼っていた猫の死は友人の死よりも悲しい」そんな言葉…