2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

クロッカスの芽

エントリーが時間的に前後してしまったが、今朝の散歩の記録。 道ばたにクロッカス(crocus, Crocus)らしき芽が出ているのを見かける。 サフラン公園のハクモクレン(白木蓮, Magnolia denudata, Yulan magnolia)の芽。眩しいほど元気だ。 以前から気にな…

狸小路正福屋のベビーカステーラ

家族と中心街に買い物に出た。途中家族とは別行動をとることになって、私は古いアーケード商店街の狸小路(たぬきこうじ)を歩いた。古物商に出回っているという噂を聞いた金属活字が目当てだったが、古物商自体がすでに存在しなかった。ある印鑑屋さんに立…

ページは言葉を祝福できるか

最近、あらゆるデザインは、たとえ文字が登場しなくとも、究極的にはことばのデザインであるという見方に密かに到達しました。というか昔からそう薄々感じていました。そして、あからさまに文字が使われているデザインはことばのハレの舞台なのだ、と。本に…

残雪

サッポロ、ハレ。今朝のモイワヤマ(→ Mt. Moiwa, March 21st, 2008)。 タンポポ公園ではようやく遊具がアタマを出しはじめた。 昨日取り壊しがはじまった家屋はすでに外形をとどめていなかった。写真には写っていないが、柱や梁に使われていた材木が、再利…

mmpoloさんの小さな大発見

mmpoloさんが街角で面白い発見をなさった。是非ご覧いただきたい。 「不思議な句点の使い方」(『mmpoloの日記』2008-03-20) 一目見て、ピンと来た。早速、府川充男著『印刷史/タイポグラフィの視軸』(asin:4916043820)にあたってみた。句読点が現代のよ…

ページは、揺れ動く襞のワンショットだ

句読点のことを調べていて出会った「ページネーションのための基本マニュアル」にただならぬ気配を感じ取って、作者の鈴木一誌というデザイナーに興味を持った。いくつかの関心を持って、いろんな場所を出入りしているうちに、著書『ページと力』にも頻繁に…

白木蓮の芽、ダンプカーの顔

サフラン公園のハクモクレン(白木蓮, Magnolia denudata, Yulan magnolia)の芽。 札幌、曇。雪はどんどん融けてゆく。散歩でたどる道ではもう雪を踏むことはない。今朝の藻岩山(→ Mt. Moiwa, March 20th, 2008)。 原生林では大量の雪解け水が一旦地下に…

文字、見えないグリッドを探して

印刷された文字やディスプレーに表示された文字ばかり見ていると、時々無性にこの手で文字が書きたくなる。試みに一枚の白紙に向かって、ペンを持ち、何か文字を書こうとしてみる。「文字」と書こうと決めて、白紙を見つめて、どこに最初の点を打とうか、し…

動く自分を動的に記述する文体

知恵蔵裁判全記録―1995-1999 作者: 鈴木一誌, 知恵蔵裁判を読む会 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2001/01 asin:487233566X 鈴木一誌著『ページと力』の「6 法とデザイン」はすでに旧聞に属する「知恵蔵裁判」(1995年3月提訴、1999年10月控訴棄却)を…

グリッドシステムを否定できるか、空白の10年

このところ私はほぼ10年前にタイムスリップしている。面白いなあと思って読むものはみんなほぼ10年前に書かれたテキストである。この10年間に素通りしてきたある道を自分なりに辿り直しているというか、私自身にとってのいわば「空白の10年」を埋めようとし…

Besame Mucho chitarra & fisarmonica live

動く自分を動的に記述する文体としての音楽の一例

復刻されたページの力:宮澤賢治「農民藝術概論綱要」

歴史の文字―記載・活字・活版 (東京大学コレクション) 活版印刷の新たな生を見つめ続けるLuftkatzeの平川さん(ブログ『活版散歩』)に薦められた『歴史の文字–記載・活字・活版』を捲っていて驚いた。 巻末にそこだけ違う紙を使って正しく活版印刷された宮…

クリストフ・バゴノ写真集『最後の暗闇』

友人が「人生の最後の敷居」に触れるような大変興味深い写真集を出版しました。 興味おありの方はこちらへ。 新刊書籍『L'office des ténèbres:最後の暗闇』のご案内(株式会社ファベル)

『原色日本鳥類図鑑』と『江戸鳥類大図鑑』の差異

左は原色日本鳥類図鑑 (保育社の原色図鑑 (6)) 右は江戸鳥類大図鑑 THE BIRDS AND BIRDLORE OF TOKUGAWA JAPAN 左が府川充男がタイポグラファーとしての己の原点であると語った(→ 絶対文字感と真性活字中毒者)小林桂助著『原色日本鳥類図鑑 BIRDS OF JAPAN…

オオウバユリ

札幌、晴。今朝の藻岩山(→ Mt. Moiwa, March 18th, 2008)。昨日の藻岩山(→ Mt. Moiwa, March 17th, 2008)。 Giant lily, Cardiocrinum cordatum var.glehnii.なぜか強く惹かれるオオウバユリ(大姥百合)。どんな風雪にも耐えて、春を迎えた。 Blue Spru…

明治二十年代、そして

最近二人の専門家から学んだ深く関連する興味深いことが二つある。二つともある重要な意味でウェブやブログにも関係すると感じている。 デザインとはあくまで「情報を公開する技術」である(主に鈴木一誌著『ページと力』から) 今日の日本語の文体と組版の…

『英文日本大事典』と『シカゴ・マニュアル』

英文日本大事典―カラーペディア / Japan: An Illustrated Encyclopedia 鈴木一誌氏がブック・デザインを手がけた『英文日本大事典 Japan:An Illustrated Encyclopedia』(講談社、1993年)は、日本に関して英語で書かれた二千ページにおよぶ百科事典である。…

表(テーブル)は罫線が少ないほど美しい‽

年末から年始にかけてある論文を書いているときに、自分で縦と横の罫線を引いて作った表にものすごく違和感を抱いた。色々と試行錯誤したが、違和感は解消しないまま、締め切りが来て、やむなくそのまま提出した。実は印刷会社の方でうまく修正してくれるだ…

『シカゴ・マニュアル』はとってもクールだ

The Chicago Manual of Style(The Chicago Manual of Style, The University of Chicago Press, First edition published 1906) この通称『シカゴ・マニュアル』はとってもクールだと思った。鈴木一誌氏によれば、この本は「編集者のマニュアル」、「本づ…

印刷するときドキドキするのはなぜ?

自宅のプリンターで「ページネーションのための基本マニュアル」を印刷しているところ 卑近な恥ずかしい話だが、私はいまでも印刷するとき、ちょっとドキドキする。年賀状とか人にあげる写真というような特別な場合だけでなく、ちょっとした文書や自分用の写…

ネコヤナギか、「連絡先」と「Where to make connect」

札幌、曇。最低気温がプラスの日が続き、雨も降って、雪は急速に融けて消えていく。今朝の藻岩山(Mt. Moiwa, March 16th, 2008)。 ヒヨドリ(鵯, Brown-eared Bulbul, Hypsipetes amaurotis)。 ムクドリ(椋鳥, White-cheeked starling or Gray starling,…

『17歳の風景 少年は何を見たのか』を観て

このなかなか印象的な題字は「17歳の少年」を演じたと一応は言える柄本佑(えもと たすく、1986年東京生まれ)の手書きである。 針生一郎と「少年」。青梅川駅舎にて。 日本海岸を北上する少年。 日本海岸を北上する少年。 日本海岸を北上する少年。 いい映…

『9.11–8.15 日本心中』と『17歳の風景』

昨日帰宅途中に立ち寄ったCOOPの、まだやっていたVHSビデオの百円圴一のコーナーで、また五本背取りした。松本清張ビデオシリーズの野村芳太郎監督『疑惑』(1957年)と貞永方久監督『球形の荒野』(1950年)、クリント・イーストウッド監督の『バード』(19…

コカ・コーラVS. ペプシコーラ

札幌、小雨。昨日から断続的に降っている。藻岩山は雲に隠れていた(→ Mt. Moiwa, March 15th, 2008)。 空き地にカラフルなペプシの紙コップが捨てられていた。ロゴマークが気になる。たぶん宿敵コカ・コーラ(Coca-Cola, 1919–)が一貫してスクリプト体(…

絶対文字感と真性活字中毒者

asin:4416606079 シンプルでほのぼのとした造本に惹かれて読み初めた書体デザイナーの片岡朗(かたおか あきら, 1947年生まれ)が書いた『文字本』に、凄いらしい人物が登場する。築地電子活版代表の府川充男(ふかわ みつお、1951年横浜生まれ)。片岡朗は…

トドマツ林

札幌、曇り時々小雨。濡れたアスファルトが藻岩山方面に続く(→ Mt. Moiwa, March 14th, 2008)。 固い残雪に刺さったままのスコップ。柄が跡形もない。 私の知らない世界。「受験用カットマネキン」。 裏山の若いトドマツ(椴松, Fir, Abies sachalinensis…

ルビは偉大な発明である

私は活字のなかでも、なぜか昔から、ちっぽけで脇役扱いのルビ(Ruby Character)が好きだった。読みの難しい漢字に振ってあるよみがなだけでなく、著者独特の読み方を記したもの、あるいは本文組よりもルビ組の方が幅を利かせることも少なくない吉増剛造の…

書物の思想

前エントリーで取り上げた鈴木一誌著『ページと力』はそれ自体が書物の思想、ブック・デザインの思想を物語っていると感じている。 奥付にはここまで公開されている。ここにはわれわれの本の常識を覆す力が刻印されている。この本は「鈴木一誌」という作者名…

ページネーションとは何か

日本語の組版の基本を知りたくて調べたときに、書籍としては次の三冊がよく言及されていた。 (1)組版原論―タイポグラフィと活字・写植・DTP (2)基本日本語文字組版 (3)明解クリエイターのための印刷ガイドブック DTP実践編 (コマーシャル・フォト・シリーズ)…

風に飛ばされて

冷たい風が身にしみた。どんな風どうしがどうぶつかりあえば、こんな雲ができるのかと思う。 原生林でヒヨドリ(鵯, Brown-eared Bulbul, Hypsipetes amaurotis)のつがいをみかける。最近、他の野鳥を見ていない。 大きな発砲スチロールの空き箱が歩道を塞…