2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

My Funny ValentineとChega de Saudade

My Funny Valentine - チェット・ベイカー(Chet Baker, 1929–1988) Chega de Saudade - ジョアン・ジルベルト(João Gilberto, 1931–) 両者の間には浅からぬ因縁があったとは。言われてみれば、さもありなん。

Gran Trino...

昨日も寒かった。昨夜はレイトショーでグラン・トリノを観た。苦しかった。よかった。クリントには長生きしてもっとたくさん映画を撮ってもらいたい、と書いた早川さん(id:hayakar)の真意が心を打ち続けた。爺なので涙は流さなかったが、全身が涙に浸され…

塗装現場

数日前、近所のアパートで壁の補修工事が始まった。足場を組むだけでも丸二日がかりだった。親方の指示で四、五人のまだ若い左官たちがいきいきと働いていた。 静まり返った夜の工事現場。 今朝から壁の塗装が始まった。ペンキの刷毛を左右に動かす若者の姿…

小樽市祝津の磯にて

At the Seashore in Otaru, 64sec.

砂漠

砂漠 今年初めに復刊されたル・クレジオの『砂漠』を買った。砂漠に惹かれる。どうしてだろう。映画『アラビアのロレンス』のなかで、ロレンスが砂漠に惹かれる理由をたしか「清潔だから」と答えていたことを思い出す。そして、たしか砂漠は陸の海であると言…

リラ冷え

藻岩山を吹き下ろす風が冷たい。リラ冷えはオホーツク海高気圧が原因で、この寒さが初夏の訪れの合図らしい。オホーツク海の連想が広がる。帽子を三回飛ばされた。藻岩神社では神頼みはしない爺。 空き地。 白いチューリップ(鬱金香, Tulip, Tulipa)が好き…

フトコロをふか〜く

前略。自分が知らず知らずのうちに囚われている価値や規範、容易には言葉にすることはできないことも多い暗黙の前提(これは今回の重要なポイントになります)が、論理的であるべき議論の現場でも濃厚な影を落とすということは日常茶飯事です。前回、みなさ…

記念撮影

可愛い新入生たち。彼らとデカルトの『方法序説』を読んでいます。嘘です。近所の小学生たちです。後で知ったのですが、地域を高いところから見渡すという授業の一環で、近所で一番高い大学の建物の最上階から地域を俯瞰した直後だったようです。素晴らしい…

Just passing by...

The Sign Painterアレン・セイは、Grandfather's Journey のカルデコット賞受賞式の挨拶のなかで、夢と現実の関係について興味深いことを語った。少なくとも彼自身にとって大切なことは、夢と現実を分けることではないという。僕らは何かを捨て、何かを選び…

夜の水仙

夜の水仙の花。左下にエゾムラサキの花も小さく写っている。夜のタンポポの花も撮りたかったが、寒さのせいかすっかり閉じていた。今日は日中も寒く、今晩はかなり冷え込んでいる。ストーブをつけた。「リラ冷え」か。

紙芝居はサスペンスである

Kamishibai Man この絵本は、たんに紙芝居についてのノスタルジックな物語ではなく、それじたいが紙芝居を模倣することによって、紙芝居に永遠のオマージュを捧げる作品である。まえがきの中で、アレン・セイは子供時代の紙芝居(kamishibai, "paper theater…

夜桜

札幌では、サトザクラ(里桜, Prunus lannesiana)が満開である。三重の吉岡さんの報告では、もう、タンポポが綿毛だ。自分がいかに「北」に暮らしているかということを実感する。

チューリップとスズランの道

Mさんが作ったチューリップ(鬱金香, Tulip, Tulipa)とスズラン(鈴蘭, Lily of the valley, Convallaria keiskei)の小さな道。スズランはたくさん蕾をつけていた 極小、径5ミリに満たない、エゾムラサキ(蝦夷紫, Wood forget-me-not, Myosotis sylvati…

Home of the Brave

Home of the Brave 第二次世界大戦中、合衆国では十二万人以上の日系アメリカ人が西部の六州の十の収容所に抑留された。この絵本は、当時ある収容所で撮られた二人の少女の写真に触発されてアレン・セイが創作したものである。彼は本書のあとがきで、合衆国…

思い出せない

ん? お前は、、、。前に会ったことあるようなないような、、、。思い出せない。追記。園芸名アルメリア、和名ハマカンザシ(浜簪)またはマツバカンザシ(松葉簪)のようだ。英名は Common thrift、学名は Armeria maritima または Armeria vulgaris。ちな…

Grandfather's Journey

Grandfather's Journey (CALDECOTT MEDAL BOOK) ある英語の絵本(写真上)を同僚の山内さん(数学寺子屋主催者)が薦めてくれた。この絵本のことはまったく知らなかった。私のつたない道北紀行を読んだ山内さんは、その底に流れているかつてサハリンで暮らし…

「合同」と「仲間」

大阪あいりん地区(釜ヶ崎)で生活困窮者の支援活動にかかわる川浪剛さん(48歳、真宗大谷派の僧侶)はこう語る。 みなさんにお聞きすると、死んだら「たましい」はどこへ帰るのだろう、と切実に感じておられる。多くの人は家族や故郷とも関係が切れてしまっ…

雨上がりの朝

チューリップ(Tulip, Tulipa)は盛りを過ぎた頃から本当に美しくなると感じている。4月28日にはこんな姿を見せていた。そういえば、チューリップには「鬱金香(うこんこう)」という和名があるんだった。 スイセン(黄水仙, Jonquil, Narcissus jonquilla L…

生命、まだ観ぬグラン・トリノへの複雑な想い

植物たちの造形と変化の妙に興味は尽きない。視線も思考も届かない深いところまで緻密に計算されたかのような秩序がそこにあるのを感じる。それが近藤さんが多面的に思考を巡らせてきた合理的思考によってはとうてい捉えきれない「生命」そして「進化」とい…

セイヨウオオマルハナバチ

自宅玄関前のアスファルトの上をどうしたのかセイヨウオオマルハナバチ(西洋大丸花蜂, Buff-Tailed bumblebee, Bombus terrestris)がよたよたと歩いていた。ブラック・ボディに鮮やかなオレンジとイエローとホワイトの太いラインの入った引き締まった美し…

Ume Blossoms at Night

夕方、カミさんと市内の平岡公園の梅林に梅見に行ってきました。日が暮れてからライトアップされる梅の花を見るのが目的でした。夜桜ならぬ「夜梅」です。緩やかな傾斜の谷状の土地に約1200本の梅の木が植えられています。すでに散ってしまった白梅も少なく…

明るくて深いレポート

「大水槽を眺めながら眠る『えのすいクラゲナイト』」(『メレンゲが腐るほど恋したい』2009-05-07) メレ子さんのレポートにはいつも感心する。根っからひねくれた私はいわゆる観光地などを訪れても、観光スポットから外れた場所ばかりに足が向いてしまい、…

ハナ&ハッピー

サッポロのワサワサ犬ことハナに挨拶してから、久しぶりに上の土地に通じる坂道を上っていると、真っ白な犬を連れた少女に出会った。間違いないと思って、声をかけたら、案の定、その犬はハッピーだった。ハナの娘である。会いたい、会いたいと思っていた。…

Sud

やっと春本番という時に、敢えてというわけではなく、自然と北へ向かった。宗谷にいる間、札幌は遥か遠くになぜかつかみどころのない都市として感じられていた。これからそこに帰るという実感がなかなか湧かなかった。私はまだ十分に「北」に来ていない? で…

敗北の記録

サイレント時代のドタバタ喜劇のように何気ない言葉や行動の反復がしだいにズレていくとき、あるいはもの言わぬ物たちに視線(カメラ)が固定されたときに、思いがけない意味が、生々しい現実の素肌に一瞬直に触れたかのように、そこに生まれる、あるいは引…

昨日、そして今日

5、6、7日と朝の散歩はできなかった。その間に、町内の「開花地図」はすっかり塗り変えられていた。まずは、昨日8日の記録。 Kさんちの庭ではチシマザクラ(千島桜, Prunus nipponica var. kurilensis)が満開だった。 ボケ(木瓜, Flowering Quince, Ch…

Cherry Blossoms at Night

以前、死と再生を象徴するような異形のサクラの樹について書いた。 「まるで墓のような揺籃のような」(2009年04月21日) そのサクラは今が満開である。しかしなぜか太陽の光の下では撮る気になれなかった。月夜が似合うと思った。月は出ていなかったが、夜…

デカルトを読む

方法序説 (岩波文庫)作者: デカルト,Ren´e Descartes,谷川多佳子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1997/07/16メディア: 文庫購入: 31人 クリック: 344回この商品を含むブログ (203件) を見る 現在、「哲学倶楽部」こと、特別演習において、デカルトの『方法…

後戻りできない人生、後戻りした人生

ある81歳の男性が大都会で神のみぞ知る運命に翻弄されるようにして「人生の終着点」、「終のすみか」としてのいわゆる無届け施設の3畳の個室で「今さら故郷には戻れない」と呟く(朝日新聞2009年5月4日「ルポにっぽん」)。 他方、いったんはそこから逃げた…

Why?

前略。議論の構造の基本形は頭に入りましたか。 議論の基本は、必要に応じて解説や根拠を伴った主張を、付加か転換の形でつなげていくこと、ここにある。 (野矢茂樹『新版 論理トレーニング』48頁) ここで、「解説」とは当の主張の意味がよく分からない場…