リンデンの前で

セイヨウボダイジュ(西洋菩提樹, Common lime, Tilia × europaea)。キャンパスの食堂「リンデンホール」(「リンデン」は菩提樹を意味するドイツ語のLindenbaum [リンデンバウム] より)の前で。 キャンパスを散歩していたら、先日来(→ 「藻岩山に見守ら…

チューリップの種子

朝の散歩でよく会う米田さんが家の前のかつてナナカマドが植わっていた歩道の小さな土の空間を花園として再生させた。昨年の秋にナナカマドは強風で幹の途中からボキッと折れ、市役所の係の人が根こそぎ回収していったという。予算の関係で、新しいナナカマ…

苅谷さんの畑に思う

苅谷さん夫妻に会う。苅谷さんはスコップと鋸を手にしていた。ちょうど畑仕事を終えたところだった。夏には三つ目のペースメーカーを植え込む手術を控えている苅谷さんだが、調子は悪くない、と言う。なぜか苅谷さんの畑を見るのが好きだ。あまり人間臭くな…

オーストラリア帰りの青年

厚別川 モヨウフグ(Arothron stellatus) イトウ(Hucho perryi)? 未詳。 不思議な符合もあるもので、今朝散歩で拾ったハクモクレンの長い枝を釣り竿に見立てた話を書いた。午後から人を迎えに新千歳空港に行くと、そこには「大物」がいるではないか。し…

Rocca

Rocca Spiele Rocca Spiele(ロッカ・シュピール)というゲームブランドをはじめたグラフィックデザイナーの柿木原政広(Masahiro Kakinokihara)さんとゲームデザイナーのトゥルーリ・オカモチェク(Trulie Okamocek)さんが、友人の音楽家フレンチコンデン…

ミナリカイドウ

昨日とは別の場所にあるエゾノコリンゴ(蝦夷小林檎, Manchurian Crab, Malus baccata var. mandshurica)の実。様々な老い方がそれぞれ美しい。一個齧ってみたが、果汁はなく、すでに乾燥した果肉から微かな林檎の風味が感じられただけだった。遅すぎた。 …

上海からの留学生、Hu&Fan

上海からの留学生、Hu(胡)さんとFan(范)さんと面談する。上海の大学では日本語を学んでいる。4月から半年間私の哲学ゼミに参加することになった。 Huさんの上海土産。プーアル茶(普洱茶、Pu'ercha)。がっちりと固まっている。手ではほぐせない。「ど…

ジョナス・メカスからのメッセージ

Dear Mikami-san,in appreciation of your very dedicated following of my 365 Day Project and your postings of some very useful and interesting comments, I decided that you should be the first to know about my personal new internet site www.j…

詩と真実

沖家室島、「鯛の里」にて 富山、「ジェリコの戦い」にて 沖家室島の鯛の里で松本昭司さんによって灯された火に、南無さんが油を注いだ。ジェリコの戦いでは、「土佐源氏」を題材にして、ノンフィクションの語りの位相をめぐって、ああだこうだと南無さんと…

沖家室島のジェフ・ベック

先日お世話になった沖家室島で民宿「鯛の里」を営む松本昭司さんがあの夜の顛末を松本さんらしいジェフ・ベックの演奏のようにいいノリで書いて下さった。感謝。 北の旅人(「鯛狸(=^・^=)の豆日記」2009年12月25日)

そんな風に想像されていたとは

火曜日は「燃やせるゴミ」の日。少量の生ゴミの入った有料袋を持って散歩に出た。ゴミステーションの前でめったに会わず、まともに話したことのない年配の真船さんにばったり出会って、「ワンちゃんは?」と声をかけられて、一瞬戸惑った。そうか、真船さん…

すこっぷくん、欅、長谷川さん、中野さん

滑り止め材。イメージ・キャラクター(札幌市雪対策基本計画キャラクター)は「すこっぷくん」という。「Snow Community Plan」のSCOP。 新しい家が建つ オオウバユリ(大姥百合, Giant lily, Cardiocrinum cordatum var.glehnii.) 愛しのケヤキ(欅, Zelko…

だらしない私

普通の意味では旅人ではない、ただの散歩人にすぎない私だが、ときどき、ブルース・チャトウィンみたいに、オレはこんなところで一体何してるんだろう? なんて呟いて、ボーッとしていることがある。風太郎亡き後も、風太郎が町内の人たちに残した悪くない印…

老人と栗

Hさんちのクリ(栗, Japanese Chestnut, Castanea crenata)の花。2009年7月11日撮影。 Hさんちのクリ(栗, Japanese Chestnut, Castanea crenata)の実。2009年8月24日撮影。 好きな樹だった。もうあの花も実も見ることができない。 今朝、個人的にイイな…

アメリカの爺がやって来る

カリフォルニアにいた時に仲良くなったロンから「とうとう日本に行くことになったぞ。会えないか、マサ」という内容のメールがあった。京都と高野山にしばらく滞在するという。ロンらしい。京都では町屋を借りるという。しかも、新しいガールフレンドと一緒…

退屈で、たまんねえ!

ある朝、サフラン公園の東屋でめずらしく(というのは、私が「サフラン倶楽部」と名づけた、メンバーは入れ替わるが、少なくともいつも四、五人はいる、お年寄りたちのグループの中にいることが多いから)独りで腰掛けて俯いているSさんに声を掛けた。腰の…

その名はマレンコフ

新宿ゴールデン街で六十年間流しを続けて九月に八十二歳で亡くなった「マレンコフ」こと加藤武勇さんのドキュメンタリー映画がまもなく完成するという。「懐古的な映画ではなく、彼の人間性に迫るような映画にしたい」と意気込みを語った大上典保監督のドキ…

タイムカプセル:上野さん父子からの贈り物

上野さんがガレージ前で車のタイヤ交換しているところに行き会わせた。久しぶりだ。「ちょうどよかった、渡したい物があるんだ」と言っていったん家に入ってしばらくしてから出てきた上野さんは、「これ、息子からなんだが、使ってもらえないかな」とロボッ…

ギンナン狩りする狩野さん

オオアワダチソウ(大泡立草, Goldenrod, Solidago gigantea var. leiophylla)。空地に一株だけ泡立草がまだ花をつけているのが目にとまった。昨夜書いた『東京漂流』の藤原新也の「眼」を少しもらったからだろう。空地を囲うフェンスを乗り越えて近づいた…

マルメロ!

突然、頭上から「ちょっと!」と声をかけられびっくりして立ち止まった。見上げるとガレージの上に向平さんがいた。「ブドウ、あげるから」「え! ほんとですか。嬉しいです」「農薬もかかってないし、このまま食えるよ。歩きながら食べるといい」「いやあ、…

一人暮らしのおばあさんが育てている花

仲良く庭の冬支度をしていた上野夫妻と世間話。このブログがバレていた。笑い。 向平さんちのチョウセンゴミシ(朝鮮五味子, Schisandra chinensis) ムラサキシキブ(紫式部, Japanese Beautyberry, Callicarpa japonica) 塚本さんちのダリア(天竺牡丹, D…

Nさんの道

いつの頃からか毎朝ほぼきまったルートを時計回りに歩くようになった。ときどきほぼ同じルートを反時計回りに歩くNさんに出会う。風太郎時代からの顔見知りである。右脚を引き摺っている。軽い右半身不随でリハビリを兼ねた散歩を毎朝している。辛そうに、…

病み上がりの日記

1夢現体がだんだん重たくなり、言うことを聞かなくなっていくにつれて意識はどんどん内向して行く。そしてしだいに外界をシャットアウトし、ついにはシャットダウンする。夢現(ゆめうつつ)の状態のなかフジモトマサルのマンガがまた読みたくなって数冊読…

底光り

アパート群解体現場にはアパートの跡形もない。そこはすでに解体現場ではなく、きれいな更地になりつつある。二台の大型ショベルカーが整地作業していた。こうしてあったものの記憶が少しずつ薄れて行く。建物が使い捨てられ取り壊されるように、場所の記憶…

まるで発掘現場のような

アパート解体現場では、整地用の新しい土がどんどん運び込まれている。一方では最初に取り壊された6棟が建っていた部分の整地が進み、他方では後から取り壊された3棟の土台部分の掘り起こしがほぼ終わり、それによって出た細かな廃材の仕分け作業が行われ…

向平さんとの会話

少しくらい肌寒くても晴れた日にはTシャツ一枚で散歩に出ていたが、今朝はその上からフリースを着込んで、さらに小雨が降り始めたのでウィンドブレーカーを羽織った。予報では最高気温19℃、最低気温12℃。まだどこかにかすかに残っている夏の気分が吹き飛び…

神話的空間、岩沙参、柳カレイ、鼈甲花虻

アパート解体現場。仕分けされた廃材は梱包されて次々と運び出される。ショベルカーが細かい瓦礫をさらえてから、土を均していた。少しずつ更地に近づいている。 イヌサフラン(Autumn crocus, Meadow saffron or Naked lady, Colchicum autumnale) キクニ…

自動車整備工場、愉快なシンガー

散歩でめぐる住宅街の東の端っこの細い裏道に、そこだけ昭和の空気を色濃くとどめた小さな自動車整備工場がある。連休中も営業していた。その前で立ち止まって、壁に掛かった色んな工具を眺めるのが好きだ。なぜか交番がお得意様らしく、ときどきタイヤを外…

T's Gallery Vol.4:愉快な多様性の空間

なんでもそうだけど、完成しちゃったもの、動きというか新陳代謝のような活動の感じられないものはつまんない。未完成というか何が起こるか予見不可能な成長しつづけている姿を見るのが好きだ。生きてるって感じがする。家でも本でもサービスでもなんでもそ…

留守中、失礼しました! 帆足さんの「ブルーガレージ」

今朝、いつものように帆足(ほあし)さんちの横を通りかかったら、庭の奥の方からラジオの音声が流れてきた。帆足さんの姿は見えなかったが、直前までそこにいたような気配が漂っていた。自転車はあったが、車がなかった。急な用事で出かけたのだろう。付け…