人生
ソローは<友情>について散文と韻文を駆使して語りながら、謳いながら、何気なく<革命(revolutions)>に言い及ぶ。 …彼は昼のように何も隠さなかった。 内面の力強さを感じるのは、そのためだろう。 というのも、城塞や砲門が役立つのは 弱さと罪を隠す…
友情はあらゆる人間の経験の中でも儚いものであり、過ぎ去った夏の夜の稲妻のごとく思い出される。 ヘンリー・デイヴィッド・ソロー著、山口晃訳『コンコード川とメリマック川の一週間』304頁 Friendship is evanescent in every man's experience, and reme…
Jonas Mekas' Diary, April 14, 2010 ジョナス・メカスの4月14日の日記には、昨年グリーネ・ナフタリ・ギャラリー(Greene Naftali Gallery)で開催された今は亡きポール・シャリツ(Paul Sharits, 1943–1993)の回顧展をジェラルド・オグラディ(Gerald O’G…
Jonas Mekas' Diary, April 8, 2010 予告通り、ジョナス・メカスは共著My First New Yorkの出版記念イベントで、ニューヨークに流れ着いた当時の日記(I had nowhrer to go)の一節をとても87歳とは思えない迫力でユーモアも忘れずに朗読した。聴衆は笑うタ…
その瞬間に自分の内と外で同時に起こったこと、その境界が揺らいだこと、それは、例えば、その瞬間に撮った写真に単純ではない写り方で写っているはずのことなのだが、それを後から思い出して書くことは、すでに色褪せた印象をなぞることにしかならないのだ…
ここに来て、どこに来て? 「老い」をめぐる葛藤を他人事のように観察しておいてから、南無さんが吉本隆明に言寄せて、「孤独」について語り始めたかと思いきや、さりげなく、「所詮」の覚悟を蓮如上人(1415–1499)の「白骨の章」に託し、達観とか悟りとか…
the DotFest - THE 1ST INTERNATIONAL ONLINE SHORT FILM FESTIVAL Interview with Jonas Mekas 旅の空の下、ジョナス・メカスが審査員を務めることになったドットフェスト 第1回 国際オンライン短篇映画祭(the DotFest - THE 1ST INTERNATIONAL ONLINE SH…
http://jonasmekasfilms.com/diary/?p=222 嬉しいことに、メカスさんが3月11日の日記で、上のように、私の翻訳「ジョナス・メカス「美の一瞥」試訳(2010年03月15日)」に、‘A Japanese translation is available from my friend in Sapporo, Masao Mikami.’…
Jonas Mekas' Personal Website 数日前に、ジョナス・メカスの新サイトの顔が上のように変った。日記(Diary)がホームに設定されているのに変わりはないが、その日記に最初の映像日記であるトランペットで「再開の狼煙」を上げるメカスの映像が改めて置かれ…
Jonas Mekas Interview (via Brain) 昨年パリでジョナス・メカスが浴びせられた26の穿(うが)った質問を翻訳してみました。メカスの回答は上のリンク先を参照してください。ここでは、私が反射的に回答してみました。 01あなたは誰? 三上です(最低、、) …
Kaiさん(id:kaiowada)から、とびっきり素敵なメールが届いた。度を越している(Extra-vagant)! プリントアウトしたら5枚になった。わっはっは! <歌>のことが書かれていた。いまだかつて歌われたことのない歌、歌われなければいけない歌に辿り着いた…
ジョナス・メカスの新サイト jonasmekasfilms.comでは、昨年の初夏にパリのアニエス・ベーのギャラリーで開催された彼の「私があなたたち、パリの友人たちと分かち合いたい二、三の事柄」展("A Few Things I Want to Share with You, My Paris Friends," ag…
ジョナス・メカスの最新インタビューが非常に面白かったので、訳してみました。すでに色んな場所に書かれている事実も少なくありませんが、6歳の頃の体験や、ごく最近の彼の関心事など、新鮮な事実も語られ、しかも全体的に彼ならではの詩的な語りには大き…
ジョナス・メカスの新しいサイト jonasmekasfilms.com 開設の知らせを受けた時、あれ? それまでの公式サイト www.jonasmekas.com は一体どうなったの? という疑問が一瞬脳裡を掠めたが、その時は深く考えなかった。その後、ジョナス・メカスの弟、アドルフ…
ジョナス・メカスの3月10日付けの日記(http://jonasmekasfilms.com/diary/?p=218)によれば、彼の旧友ジョン・ブロックマン(John Brockman)が非常に想像力を刺激するサイトEgdeを開設した。 その理念に曰く、「世界の知識の縁に到達するために、最も複雑…
Another Friday, another joke!(jonasmekasfilms.com/diary/) Phong Buiのジョーク(politically incorrect jokes)が冴える! Phong Bui関連エントリー 創造的な冗談Phong Bui(2007年02月25日) 「物の味方」Ariane Michel(2007年03月13日) Garden num…
asin:475714198X 木幡和枝訳、スーザン・ソンタグ著『同じ時のなかで』(NTT出版、2009年)。 安寧は人を孤立させる。孤独は連帯を制限する。連帯は孤独を堕落させる。(339頁) まるで多元連立方程式のように命題を連打して、ソンタグは自身をどこにどう位…
asin:4861100305 ソローの遺作『ウォーキング』(1862年)を読む。ソローは中世の巡礼に由来する聖なる歩行、「ソンタリング(Sautering)」を喚び出しながら、人間にとっての「歩く」ことの根源的な意味に迫ろうとする。 これまでの生涯を通じて、ウォーキ…
asin:4087465004 本書の冒頭には、表題にもなっている「全ての装備を知恵に置き換えること」と題された、パタゴニアの創始者イヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard, born 1938)との出会いを綴ったエッセイが「まえがき」の代わりのように置かれている。こ…
森崎和江さんは何度も北海道を訪れて、その自然と風土に強く惹かれ、住みたいとも思ったが、結局、そうはしなかった。できなかった。四半世紀前に(1984年)、森崎和江さんは、快適な場所にはとどまることはできない屈折した思いと、北海道が好きな理由につ…
左:ソングライン (series on the move)、右:The Songlines 寝る前によく読んでもらったのは、アーネスト・トンプスン・シートンの『狩られるものの生活(Lives of the Hunted)』に出てくる雌のコヨーテの話だ。 コヨーテの子供ティトーは、いっしょに生ま…
室蘭民報2009年12月20日(日曜日) 冬のある日の黄昏(たそがれ)時、一匹の黒猫が校庭のど真ん中を横切っている。無人の校庭の身を隠す物の何もない対角線上を八方におのれの身体をさらしつくして横切っている。思わず「はぐれたのか」と呟いた「私」は、そ…
森崎和江は自分が「流れ者の系譜」につながることを次のように「流れ者の言葉」でしみじみと語った。 けれどもこの世はたいそうひろくて、それは蛍の道のようだ。 わたしを呼ぶ声がしきりにする。まるで蝶の季節に、うすい羽根がくさむらでうごめくように、…
山口勲写真集『ボタ山のあるぼくの町』(海鳥社、2006年) asin:4874155731 118頁〜119頁 山口勲写真集『ボタ山のあるぼくの町』(海鳥社、2006年)は、ヤマで生まれ、ヤマで育ち、ヤマで働き、ヤマを撮り続けたヤマの写真家「イサオちゃん」こと山口勲さん…
はからずも、今日、七草の日に、昨年暮れにお邪魔してお世話になった、山口県は周防大島の南に一粒の涙のように浮ぶ沖家室島で民宿「鯛の里」を営む松本昭司さんと、毎年豪雪に見舞われる富山に根を下ろして生きる南無さんから、ほぼ同時にブログ便りがあっ…
行き止まりだと思っていつも引き返していた道の曲がり角の向こうに広がる風景をあのときこの目で見てしまった。 沖家室島で民宿「鯛の里」を営む松本昭司さんが、私との路上生活者談義にも触れながら、人生の「ギアチェンジ」について書いている。 最近、ギ…
先日、南無さん(id:namgen)から、苦痛と絶望に打ちひしがれて死の床にあった老人の最期を看取ったときの話を聞いた。老人は己の罪過の故、「地獄」行きを覚悟していたという。それでも「死んだらどうなるんだ。やっぱり地獄行きか」と老人は微かな希望を手…
昨日紹介したチューリッヒで出た雑誌のロバート・フランク特集の中に、バロウズ(William Seward Burroughs, 1914–1997)の掌編「DEAD MAN BLUES」(『WESTERN LANDS』1987から)が丸ごと引用されていた。それは、処女作以降、第二作目がどうしても書けなか…
http://artphoto-site.com/b_249.html http://www.amazon.co.jp/gp/product/3908247683 ROBERT FRANK Leaving Home Coming Home ......Es ist die Reise durch die Nacht in den Tag COMING HOME LEAVING HOME Maybe for the last time It begins in Zürich …
こしのみちのなかへ My Foolish Heart:pictorial travelogue of Toyama, 6:04