メモ

私の中の神様と悪魔

坂東さん(id:keitabando)が「三ちゃんって、、天使?神様??」と熱く応答してくれたとき、私はドキッとした。そして告白する気になった。坂東さんには、人をそんな気持ちにさせる天賦の才能、ギフトがあることを再認識した。何を告白する気になったかとい…

悩みと問題

仕事柄、若い人たちの悩みを聞く機会が多い。そしていつも感じる。悩みを語る言葉が非常に抽象的だなあ、と。で、いつもこうアドヴァイスする。もう少し、具体的に言ってみて。(中略)そうすると、当初もやもやとした悩みが個々の具体的な問題として姿を現…

エクリチュールの挑戦

『平民新聞』の平民金子さん(id:heimin)にはいつも度肝を抜かれる。 「全国眉毛王選手権を開催します」(2008-07-08) 「モナ」(2008-07-12) ここまでやるか、といつも感心する。いや、本当は、こういう物言いでは、彼のエクリチュールの強度をちゃんと…

女と濁(にごり)

一昨日の朝日の夕刊で、坂東玉三郎の記事が目に留まった。歌舞伎座で玉三郎が演出、主演する「高野聖」が現在上演中であるという。鏡花作品は彼(彼女)のライフワークの一つである。見たいなあ、と思った。以前から玉三郎に、歌舞伎の「立女形」に興味があ…

異邦の身体

異邦の身体作者: アルフォンソ・リンギス,松本潤一郎,笹田恭史,杉本隆久出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/08/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (11件) を見る 「個人」を身体の最も深いところで捉まえたい、そして…

熱いハートにクールな頭

三木成夫先生は、人間の体にも南と北があるんだよ,と言う。南は心臓を中心とする内蔵、北は筋肉を統括する神経中枢としての頭。そして、頭は熱くすると駄目で、お腹は冷やすと良くない。生活の知恵の言葉「頭寒足熱」は科学的にも真理だという。なるほど。 …

現実を変えたいと思ったら

現実を変えたいと思ったら、少なくとも自分の理想を明確に語れなければならない。そしてその語りが相手を説得し、相手を変える必要がある。現実はある面で人間関係、コミュニケーションの総体であるから、少なくともその関係、コミュニケーションの質を変え…

愛とは常軌を逸した配慮である

夜の散歩では、変な言い方ですが、脳は非常に饒舌になります。脈絡なくいろんな言葉が湧き出てきます。いろんなことが次から次へと思い出されます。暗いアスファルトの路面や建ち並ぶ家々の壁や空は、そんな脳の異常な活動が映写されるスクリーンと化します…

すべてを私だけの「貨幣」に

時々、俺って、この土地でロビンソン・クルーソーやっているのかな、と思うことがあります。もちろん、中途半端だけど。どういうことかというと、誰も価値を認めないような物事に絶対的な価値を付与しながら毎日生きようとしているということ。私が触れるす…

意味より音の方が頼りになる

前エントリーで、おばちゃんたちが自転車を漕ぎながら大きな声で歌うように発していた言葉が次のどれだったか分からなくなりました。1なんだ坂、こんな坂 2あんな坂、こんな坂 3どんな坂、こんな坂最初は1だと思ったのですが、多分意味を考え始めたため…

死に条件づけられた存在

2005年1月23日撮影。Half Moon Bay, Californiaにて。 半年ほど前に記録したように、 ペルーからの知らせ(2007年11月14日) アメリカ滞在中に親しくなったアパートの隣人、ビルとメラニーに誘われて何度か訪れた太平洋岸のハーフムーンベイ(Half Moon Bay…

文豪擬獣化宣言が面白い2

昨日紹介し損なった、内澤旬子(画)& 南陀楼綾繁(文)両氏による「けものみち計画」の一環である「文豪擬獣化宣言」の第一回目は内田百閒=フクロウである。 WASEDA bungaku FreePaper vol.010_2007_fall けものみち計画の文豪擬獣化宣言1 内田百閒=フク…

文豪擬獣化宣言が面白い

WASEDA bungaku FreePaperに連載中の内澤旬子(画)&南陀楼綾繁(文)の「文豪擬獣化宣言」が面白い。 けものみち計画の2 菊池寛=豚(vol. 011_2007_winter) けものみち計画の3 大佛次郎=アザラシ(vol.012_2008_spring) 文豪の愛すべき人間性を愛すべ…

タフテ四度

asin:0961392118 asin:0961392126 「データのレオナルド・ダ・ヴィンチ」と異名をとるエドワード・タフテ(Edward R. Tufte, born 1942)が90年代に出した上の二冊もワクワクするほど面白い。私たちの複雑な経験(データ)を平面上にどうやって表現(視覚化…

それはすでに起こっている

実名/匿名をめぐる議論の土俵からは遠く離れて、いわば「無名」の者たちの無名のネットワークが現実に何かを起こす。すでにその何かは起こっている。その動向の核心は後ろ向きのハートではとらえられないし、従来の分類的指標や概念でとらえることもできな…

否定の論理学的な意味とポン酢

台所でコーヒーを飲みながら、ぼーっとしているときに、色々とひらめくことが多い。否定の論理学的な意味の一面を学生たちに伝えるための分かりやす図はどんなんかなと考えていた矢先だったせいか、ある図が頭に浮かんで、壁にかけてあるちっちゃなうす汚れ…

学習に高速道路はあるかもしれないが、人生に高速道路はない

takuo.. .がいいことを書いていた。 情報の高速道路は人生の高速道路なの? 高速道路を逆に進むことになっても、もう一歩どこかへ手を伸ばしたい。

誰に言葉を

読みのがしていた。 誰に言葉を(「平民新聞」2007-10-15) ふと、自分が今、書いている言葉は、ヨシ子ちゃんには届かない、ぜったいに届かない、と思った。ぼくは誰に言葉を届けたいんだろう、そう思い、目を閉じた。それでも部屋はまぶしかった。

からっぽと未練と失敗と:平民さんの「明るい部屋」

明るい部屋(「平民新聞」2008-04-14) 心憎いセンスと努力。「平民新聞」の金子さん......、ロラン・バルトもサム・シェパードもゴダールも......。 これからもぼくは楽しい写真を撮っていきたいです。そんで見てくれる人が少しでも楽しい気分になってくれた…

情報の未来形

情報はもっと自由にオープンにつながるはずだ。そんな情報の未来形について考えています。前回「分類」を糸口にして、「私」自身が新鮮な分類そのものになる、と話したこともその一環でした。情報はまだまだ不自由に分類されている。あるいは十分に分類され…

春学期がスタートして

先週から春学期が開始して、私が担当する講義ものの情報文化論、情報倫理、論理学入門も初回を一通り終えました。情報文化論では大学生としての自覚を深く促しつつ、情報文化史的な背景を押さえた上でインターネットをフル活用した知的生産のための態勢作り…

知らなかった、3・29東大ネグリ講演会の顛末

コピーレフト(copyleft) id:femmeletsさんのところで、興味深いコピーレフトの原稿「ネグリはどこに行ったか?」が転載されていた。 (転載)3・29ネグリ・イヴェントについての見解(コピーレフト)

透明な「文字」ソノモノなど、どこにもない

文字コードに関心を持った2000年頃に買った小池和夫・府川充男・直井 靖・永瀬唯著『漢字問題と文字コード』(太田出版、1999年)をこの度は漢字への関心から読み直していた。やはり「真性活字中毒者」たちが活躍していたのだった。 asin:4872334868本書の内…

活字関連三冊の内容

『東京大学コレクションIII 歴史の文字 記載・活字・活版』西野嘉章編(東京大学出版会、1996年)の内容 asin:4130202030緒言 総合研究博物館(3–4頁) 特別展示の開催に寄せて 吉川弘之(5–7頁) 歴史の文字 記載・活字・活版 西野嘉章(8–15頁) ゲタと印…

道具に魂を奪われるほどに

生活と仕事、あるいは仕事を含めた生活のなかで、日々の決まり事、決め事を面倒くさいなあと思いながら受け身にこなしているか、それともそれこそが大切な何かを死守することなのだと腹を決めて前向きに手を抜かずに取り組んでいるかの違いが、その人の生活…

欧文書体の今を知る、ことの意味

粋で生きのいいAQの「欧文書体の今を知る」シリーズが面白い。 欧文書体の今を知る Vol.1 : Klavika(2004) by Eric Olson 欧文書体の今を知る Vol.2 : Bliss(200?) by Jeremy Tankard 欧文書体の今を知る Vol.3 : Xtra Sans(2006) by Jarno Lukkarila 欧文書…

世界とは何か

「世界」って、存在するものじゃなくて、その都度、つかの間に生成するものだと思う。その人が色んな事情で今生きているその場所でできるだけ多くのものに心を向けて、働きかけることによって「立ち上がる」のが「世界」だと思う。色んな人のブログを巡って…

Google VS. Microsoft+Yahoo?

「米グーグル、大幅増益…ライバル・米ヤフーに大差」というニュースを読んだ直後、「Microsoft Offers to Buy Yahoo for $44.6 Billion」というThe New York TimesのBreaking News Alertが飛び込んできた。Yahooが条件を飲んで買収に応じれば、 It would als…

逃走=闘争の線

昨日、西欧思想のかなり深いところに控えている選択肢(AかBか)の話を書いた。 A:オデュッセウス(ギリシャ人)=帰郷派 B:アブラハム(ユダヤ人)=流浪派実は、偶然、simpleAでは似たような選択肢が話題になっていた。「分譲か賃貸か」。 A:分譲派…

アブラハムかオデュッセウスか

*1 エマヌエリス・レヴィナス リトアニアに生まれ、フランスに帰化したユダヤ人哲学者がいた。エマニュエル・レヴィナス(Emmanuel Lévinas, 1906-1995)。ジョナス・メカスはひょんなことからエマニュエル・レヴィナスが亡くなる年、1995年にはじめてその存…